読みは同じだけど、漢字は違う。
でも、意味はよく似ている。
そんな日本語で結構たくさんありますよね。
本ブログでも、
「生かす」と「活かす」
「越える」と「超える」
「怖い」と「恐い」
「思い」と「想い」
などなどの違いと使い分け方について記事にしています。
ということで、今回取り上げるのは・・・
「耐える」と「堪える」
これも読みはどちらも「たえる」
そこで、「耐える」と「堪える」の違いと使い分け方をわかりやすく解説したいと思います。
「耐える」の意味
「耐える」を辞書で調べると、以下のように解説されています。
①苦しさ・悲しさなどに屈せず我慢する。こらえる。
②他から加えられる力に負けずにもちこたえる。
「苦しみに耐える」「悲しみに耐える」という風に使います。
一方、「堪える」は・・・
「堪える」の意味
①負担や任務に対応できる能力や技量がそなわっている。
②それをするだけの値打ちがある。・・・に値する。
「耐える」とは、少し意味が違いますね。
また、使い方も、
「見るに堪えない」「その任に堪えない」
といったように否定形で使われることが多いです。
「耐える」と「堪える」の違い
「耐える」と「堪える」の違いで、特徴的なのは読み方です。
「耐える」は「たえる」としか読めません。
しかし、「堪える」は「たえる」の他に、「こらえる」「こたえる」とも読めます。
「堪える」を「こらえる」と読んだ場合、「我慢する」という意味になります。
したがって、「耐える」と同じ意味と考えていいでしょう。
一方、「堪える」を「こたえる」と読んだ場合は「身にしみる」という意味になります。
「暑さが身体に堪(こた)える」という風に使いますね。
こうしてみていくと、「堪」という感じは多様な意味を持つことがわかりますね。
「耐」「堪」という漢字から見える違い
次に、「耐」「堪」という漢字をみてみましょう。
「耐」という漢字の熟語には、「忍耐」「耐久」「耐熱」「耐震」などがあります。
一方、「堪」の熟語は「堪忍」ぐらいしか思い当たりません。
ちなみに、「堪忍」には、2つの意味があります。
①怒りを抑えて、人の過ちを許すこと。勘弁。
②肉体的な痛みや苦しい境遇などをじっとこらえること。我慢すること。忍耐。
こうして見てみると、以下のように言ってもいいと思います。
「耐える」は、物理的なものに対して「たえる」
「堪える」は、精神的なものに対して「たえる」
「耐える」と「堪える」の使い分け方
「耐える」と「堪える」の使い分け方は非常に曖昧です。
基本的には、どちらを使ってもいいというのが、結論です。
ただし、「見るにたえない」「その任にたえない」など、能力や値打ちを意味する場合で、否定形で使う時は、「見るに堪えない」「その任に堪えない」と表記するのが正しい使い方となります。
まとめ
「耐える」と「堪える」の違いをご紹介しましたが、意外に解説するのが難しかったです。
もしわかりにくかったとしたら、お許し下さい。
「たえる」は「耐える」でも「堪える」でもOKということです。
迷ったら、「耐える」にしておけば、基本的に間違いはありません。