テレビのニュース番組を観ていたら、キャスターがこんな訂正をしていました。
「先ほどのニュースの中で、“厳戒体制”という文字テロップに誤りがありました。
正しくは“厳戒態勢”でした。お詫びして訂正します」
「体制」と「態勢」。
確かに、間違えやすい言葉ですね。
他にも、「体勢」という言葉もあります。
これらはどんな違いがあるのか?
そして、正しい使い分け方は?
気になったので、早速調べてみました。
「体制」「態勢」「体勢」の違いは?
まず「体制」ですが、NHKによると、以下のように定義されているそうです。
<体制>
「システム」「組織」を意味する。
特に、恒常的な国家や社会などの組織や制度を言うときに使われる。
例:「資本主義体制」「社会主義体制」「独裁体制」
一方、態勢は・・・
<態勢>
「一時的な対応・身構え」を意味する。
例:「厳戒態勢」「受け入れ態勢」「警備態勢」
次に、「体勢」は・・・
<体勢>
「体の構え・姿勢」を意味する。
例:「攻撃体勢」「投球体勢」「得意体勢」
「体制」「態勢」「体勢」の使い分け方は?
「体制」と「態勢」の違いひとつは「継続的」か「一時的」かです。
そして、「体制」は大きな組織や社会のシステムなどを言うときに使います。
「体勢」は単純に言えば、「個人的な身体の動き」を指します。
「24時間たいせい」は体制?態勢?
体制と態勢の使い分け方ですが、どちらも使える場合もあります。
それは「24時間たいせい」です。
「24時間たいせい」が持続的なシステムの場合は「24時間体制」
一方、一時的な対応の場合は「24時間態勢」となります。
・「大勢」という言葉は?
「たいせい」には「大勢」という言葉もありますね。
そこで、これについても説明しておきます。
<大勢>
「ものごとの大筋となる形勢。特に世のなりゆき」を意味します。
例えば、選挙で「大勢が判明した」というように使われます。
ちなみに、「大勢」は「たいせい」の他に「おおぜい」と呼ぶこともありますね。
この場合は「人数が多い」という全く違う意味になります。
まとめ
ということで、4つの「たいせい」について解説しました。
こうしてみると、やはり間違いやすいのは「体制」と「態勢」の使い分け方ではないでしょうか?
迷ったときは・・・
「体制」→持続的なシステム
「態勢」→一時的な対応
と、理解しておけば、ほぼ間違えることはないはずです。
この機会に正しい使い方をぜひ覚えておいて下さい。