今日、クレジットカードが届きました。
カードが届いてまずやるのは、裏面に署名することですが、僕はこれがとても苦手です。
もともと字が汚いのですが、カードの裏って滑りやすいこともあり、上手く書けないんです。
そのため、いつも緊張して文字がガタガタになってしまうことがよくあります。
で、何とか書き終えたあと、ふとこんな疑問が浮かびました。
カードの署名は手書きが決まりですが、これは自筆?それとも直筆?
そういえば、署名とよく似た言葉に記名ってのがあるけど、違いは何?
そんな訳で、今回はこの疑問について調べてみました。
自筆と直筆の違い
まずは自筆と直筆をそれぞれ辞書で調べてみました。
<自筆>本人が自分で書くこと。また、本人が書いたもの。
<直筆>本人自身が直接に筆を取って書くこと。また、その書いたもの。
・出典:goo国語辞書
この説明で違いがわかりましたか?
僕はいまいちピンときませんでした。
これってどこが違うの!?
どちらも本人が書いたものでしょ。
で、さらに調べてみると・・・
「本人が書いたものという意味では自筆と直筆は同じもの」
ということらしい。
では、自筆と直筆は何が違うのか?
ネットでは、こんな解釈がされていました。
「本人であることを証明するのためのサインは“自筆で書く”というが、“直筆で書く”とは言わない。
直筆は価値のある書き物に限定して使う場合が多い。
有名人のサインなどは“直筆のサイン”といい、“自筆のサイン”とは言わない」
確かに、有名作家の原稿なんかが発見されたときは「直筆の原稿」と言いますね。
ただし、有名作家自身が書いたものを本人が「直筆」と言うことはありません。
「これは私の自筆の原稿だ」が正しく、「これは私の直筆の原稿だ」は誤りです。
う〜ん、何かややこしいですか?
では、もう少しわかりやすく説明してみましょう。
ここに芸能人に書いてもらったサイン色紙があるとします。
これをあなたが説明するときは「○○さん直筆のサイン」と言います。
一方、このサインを書いた芸能人は「これは私の自筆サインだ」と言います。
つまり、両者の違いは・・・
・本人が言うときは「自筆」
・他人が言うときは「直筆」
「自筆」というときは、本人がそこにいる必要があるが、「直筆」というときは、本人がそこにいなくてもいい。
こう解釈すればいいでしょう。
自筆と直筆は手書きでなければならない?
自筆も直筆も本人が書いたものという共通点がありますが、この場合は手書きでなければならないのでしょうか?
現代は手書きで書く機会が少なく、パソコンなどで書くことがほとんどです。
パソコンで書いたものは自筆もしくは直筆と呼んでもいいのか?
答えはノーです。
パソコンなどで書いたものは、自筆、直筆のどちらにも該当しないと考えられているようです。
手書きであれば、筆跡鑑定などで本人確認できますが、ワープロ文章は完全に複製できるため、本人確認ができないというのが理由です。
ちなみに、タイプライターが普及していた欧米では、原稿の最後に手書きで署名して自筆(もしくは直筆)である事を証明していたようです。
署名と記名の違い
では、署名と記名はどんな違いがあるのでしょうか?
署名とは、本人が自筆で氏名を手書きすることをいいます。
筆跡は人によって異なるため、筆跡鑑定を行えば、本人である証拠になります。
一方、記名とは、署名以外の方法で自分の氏名を記載することをいいます。
そのため、他人が代筆してもかまいません。
また、記名は手書きである必要はなく、ゴム印やワープロ印刷でも問題ありません。
まとめ
いかがでしたか?わかって頂けたでしょうか?
ややこしかったかもしれないので、最後にもう一度整理しておきます。
・自筆も直筆も自分で書いたものという意味では同じ
・直筆は価値のあるものに使う
・本人が言うときは「自筆」で、他人が言うときは「直筆」
・自筆も直筆も手書きのものでなければならない
・署名は本人しかできないが、記名は他人が代筆してもかまわない
ということで、この機会にぜひ覚えておいてください。
それにしても、日本語ってホント奥が深いですね。