諸外国を見てみると、大統領などの実際の政治を行う人物の他に、女王や国王がいる国が多いですよね。
イギリスのエリザベス女王は最たる例です。
一方、日本にも皇室という存在があって、その頂点に国の象徴である天皇が位置します。
一見、似ているようにもみえる諸外国の「王室」と日本の「皇室」。
実は明確な違いがあることをあなたは知っていますか?
日本の皇室
日本ではこれまで、ずっと天皇がいたにもかかわらず、政治を取り仕切ってきたのは、鎌倉幕府や江戸幕府など時の将軍となった人物でした。
形こそ変わりましたが、今の総理大臣と同じような役割を持っていたのです。
一方、天皇を含めた皇室の人たちというのは、古い神様である天照大神(あまてらすおおみかみ)からの流れをくんでいると言われています。
天皇というのは、天照大神から続く子孫でないとなれないとされています。
また、日本という国の名前を見てもわかるように、「日(太陽)の本」の国です。
天照大神が絶対的な神様であり、あがめているという形はいつまでも変わりません。
だからこそ、これまでいくつもの幕府の将軍が存在していても、明治時代からは総理大臣が存在していても、天皇という存在や皇室という存在は、日本の象徴としてそこにあり続けているのです。
王室とは?
皇室が古い神からの血を受け継ぐ人物によって受け継がれてきたのに対し、諸外国の王室というのは、ずっと世襲で受け継がれてきたとは限りません。
その国の中で戦いがあるたびに、その勝者が国の頂点である王となって国を治めてきました。
その中で何世代も世襲で受け継がれてきた王室もありますが、やがては違う民族に倒されたり、違う国との戦いで負けて王室が変わったりということもありました。
つまり、王室は皇室と違って、その国のただ一つの象徴的な血を受け継いでいる存在であるとは言い切れないのです。
諸外国には、いろんな血を受け継いだ王室があるという訳です。
現代では、政治をする大統領と国の象徴である王室とが共存している国も多いですが、こうした国の大半は先進国です。
新興国の中には王室打倒を掲げて今も反体制派が戦っている国もあります。
まとめ
日本の皇室は、天皇の血族であり、神のような存在であり、完全に世襲です。
どんなに権力を持っていても、天皇や皇族にはなれません。
(民間から嫁いだ美智子皇后や雅子妃殿下は異なります)
一方、王室のほとんどはその時代に実権を握っている家系の集まりです。
ひとつの国の長い歴史の中に家系の違う王室が複数存在するのです。
このように日本の皇室と諸外国の王室は似ているようで全く違うものなのです。