ガン患者の8割以上が受けている抗がん剤治療。
しかし、問題なのが、副作用です。
髪が抜けたり、嘔吐に悩まされたり、その苦しさは筆舌に尽くしがたいと言われます。
また、抗がん剤は逆に命を縮めることもあり、その使用を巡っては様々な問題提起がされています。
実は、知人が最近肺がんになり、現在抗がん剤治療をしています。
この間、お見舞いに行ったのですが、そのやつれようがスゴくて驚きました。
会話をするのも苦しいようで、見てるこちらが苦しくなるほど。
抗がん剤の副作用の恐ろしさを改めて知りました。
見舞いから帰ってきても、知人の姿が頭から離れなかったこともあり、「抗がん剤の副作用」について、ネットで調べてみました。
検索ワードは、「副作用のない抗がん剤」。
そんなものが存在するのか?と思って検索してみたところ、見つけたのが、P-THPという薬でした。
そこで、この抗がん剤について、調べてみると、興味深い事実が色々とわかったので、記事にしてみました。
副作用のない抗がん剤P-THPとは?
P-THPは熊本大学の前田浩名誉教授が開発した抗がん剤です。
前田教授は、「2016年のノーベル化学賞」の有力候補だったとも言われている方だそうです。
前田教授は主要を取り巻く血管には、正常な血管にはない大きな穴が空いていることに着目。
この穴を通り抜けて腫瘍だけに抗がん剤が集めることはできないかと考えたそうです。
そこで、既存の抗がん剤を高分子ポリマーとつなげた薬を開発したのです。
ちなみに、P-THP治療を受けた30人の患者のデータは驚くべき結果でした。
何と28人が「副作用がなかった」と証言しているのです。
残りの2人も「発熱や胸がチクチクした」という程度で、一般的にみられる抗がん剤の副作用は起こらなかったそうです。
抗がん剤P-THPのしくみ
抗がん剤の投与で副作用が起きるのは、正常な細胞も攻撃されてしてしまうことです。
抗がん剤は無差別に細胞を攻撃するため、がん細胞もやられますが、その前に正常細胞がやられてしまうのです。
そこで、今抗がん剤の最大の研究課題とされているのは。正常な細胞は攻撃しないで、がん細胞だけをやっつけること。
前田教授が開発したP-THPは、抗がん剤を高分子と結合させて大きくして血管に入れるというやり方です。
これだと、血管の壁から抗がん剤が洩れず、正常細胞を傷つけません。
つまり、副作用がないというわけです。
抗がん剤P-THPには他にも大きなメリットがあります。
今のガン治療は、放射線治療を行うと、数ヶ月は抗がん剤治療ができません。
免疫力が落ちている状態で、抗がん剤を使うと、さらに免疫が落ちて、最悪命を落とす危険があるからです。
しかし、一方で、体力の回復を待っている間に腫瘍が大きくなる危険もあります。
しかし、抗がん剤の副作用がないP-THPであれば、手術や放射線など、他の治療と併用できます。
体力の回復を待たなくても、ガンを徹底的に治療することも可能になるのです。
P-THPについては、詳しく書かれた本も出版されています。
抗がん剤P-THPの問題点
P-THPはまさに夢のような抗がん剤ですが、問題点もあります。
前立腺がんや乳がん、卵巣がんなどには効果があるといわれていますが、胃がんや肺がんなどに効果があるかはまだよくわかっていません。
そして、もうひとつの問題は、P-THPは生産システム上の問題で薬剤の数が限られていることです。
そのため、限られた病院でしか治療を受けられないのです。
ならば、製薬会社が頑張って生産すればと思いますが、そうは行かない現状もあります。
理由のひとつはP-THPは、時代遅れと考えられていること。
現在主流の抗がん剤は、がん細胞の遺伝子やタンパク質を攻撃するといった分子標的薬ですが、P-THPはメカニズム的に古い考え方と言われています。
抗がん剤は巨額の資金を投資するため、製薬会社にとってP-THPはリスクが高いと考えられているという指摘もあります。
また、前田教授が開発したP-THPは、特許が切れた抗がん剤が使われています。
そうすると、製薬会社は儲からないので、開発に消極的だとも言われています。
まとめ
ということで、がん患者にはとってはぜ受けてみたいP-THP治療。
実は、この記事でもP-THP治療が受けられる病院を紹介しようと思ったのですが、いくら検索してもなかなか見つからないんですよね。
病院を詳しく知りたいという方は、がんの専門機関に聞いてみるか、前田教授に直接問い合わせるかしてみてください。
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