タニマチ(谷町)という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
芸能や相撲業界に興味がある人は、耳にしたことがあるかもしれませんが、
それ以外の人にとってはあまり馴染のない言葉ですね。
では、タニマチの言葉の意味や、その語源についてまとめていきましょう。
タニマチの意味
タニマチというのは、相撲業界の中で使われている隠語のひとつで、
「ひいきにしてくれる人」のことを指しています。
また、後援会や無償のスポンサーのこともタニマチと呼んでいます。
現在は相撲業界以外にも、野球や歌舞伎、演歌界にも
タニマチが浸透して幅広く使われています。
タニマチは何をする人?
タニマチはひいきにしている力士であったり、選手や歌手、
芸能人に対して多額の援助を行います。
援助の幅は広く、私生活の金銭面から、異性間トラブルの処理、
繁華街での豪遊の資金など様々です。
こうして見てみると、タニマチの人は金銭的負担が大きいのではと思いがちですが、
援助の見返りに一緒に食事をしたり、結婚時の仲人になったりなどで、
周囲に強い結びつきを見せつけることができ、
これが何より喜ばしいこととして成り立っているのです。
最近では、タニマチ行為ほど大規模ではなくても、「ファンクラブ」や
「○○後援会」などの小規模なものも増えてきているので、
タニマチほどの大きな援助行為は減ってきていますが、
時々メディアで芸能人の豪遊の陰にタニマチの存在が明らかになることもあります。
タニマチの語源
タニマチの語源には諸説あります。
・明治時代に大阪にある谷町7丁目で病院を開いていた医師が大の相撲好きであり、
治療に来た力士から治療費をもらわなかったというのが最も有力な説
・かつては、大相撲春場所の中で、多くの相撲部屋が谷町7丁目の界隈で
宿舎を構えたことからきているという説
タニマチという言葉が相撲業界を援助する人のことを指すようになったのは、
このように諸説あるようですが、大阪にある町の名前から来ている
というのが共通点となっています。
商売や人の情に厚い関西の人柄のようなものを感じますね。
現代のタニマチ
愛知県一宮市の「森家」は、江戸時代から力士が使用していた
薬(軟膏薬)を販売しており、力士のために他にも様々な便宜を図っていました。
これが昭和の半ばまで続いていたと言われています。
現在でも、この見返りとして森家には大相撲の升席を無料で開放したりなどの恩返しが、
時々されることがあるということです。
また他にも、占いで有名になった細木数子氏や、
美容外科の高須クリニックの院長・高須克弥氏も、タニマチとして有名です。