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時効廃止の対象となる犯罪は?今さら聞けない改正刑事訴訟法をわかりやすく解説します

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YouTubeを何気なく観ていたら、「凶悪事件」をまとめた動画に行き着きました。

動画では、「世田谷一家殺人事件」「上智大学女子大生放火殺人事件」「八王子スーパー強盗殺人事件」などの未解決事件が紹介されていたのですが、これらの事件はいずれも時効が廃止されたことで、今も捜査が続いています。

そこで、ふとこんな疑問が頭をよぎりました。

時効廃止の対象となる犯罪って、法律的にはどんな決まりがあるの?
今さら聞けないという人も多いのではないでしょうか?

ということで、早速調べてみました。

hanzai

時効廃止の法律とは?

時効廃止の法律ができたのは、2010年4月27日。
改正刑事訴訟法が可決・成立し、即日施行されました。

対象となる犯罪は「人を死亡させた罪
殺人罪・強盗殺人罪の凶悪犯罪の時効の廃止が決まりました。
ちなみに、時効は正式には「公訴時効」といいます。

改正刑事訴訟法では、施行された時点で時効が成立していない事件についても適用されることになり、世田谷一家殺人事件なども時効廃止の対象となりました。

しかし、「人を死亡させた」全ての罪に時効廃止が適用される訳ではありません。

時効廃止の対象にならない犯罪

時効廃止の対象となる犯罪は、法定刑に死刑を含む罪です。
無期懲役を含む犯罪は廃止の対象になりません。

具体的には、以下の犯罪が該当します。

・強姦致死罪
・傷害致死罪
・危険運転致死罪

上記の犯罪は時効が延長されます。

・強姦致死罪→15年から30年に時効延長
・危険運転致死罪→10年から20年に時効延長

時効廃止の問題点

時効廃止は被害者の遺族がずっと訴えてきたものでした。
「逃げ得は許さない」という強い思いが実ったものですが、その一方で問題点も指摘されています。

えん罪に巻き込まれる危険性

事件は時間が経てば経つほど捜査が難しくなります。
人の記憶も曖昧になり、証拠を集めるのも困難になります。

たとえば、犯人とされた人物がアリバイを主張したいと思っても、事件から何十年も経っている場合、アリバイを証言してくれる人を見つける可能性は非常に低くなります。

その結果、アリバイを立証できなくなり、えん罪に巻き込まれる可能性が高まるのです。

時効廃止で犯人逮捕の可能性は高くならない

時効が廃止は捜査に終わりはないということを意味します。

しかし、事件捜査には捜査官など多くの人員が必要とされ、限界があります。
年月が経てば経つほど、人員を減らさなければならなくなってしまうのです。

実際、殺人事件などで逮捕されるのは、9割以上が1年未満で、それ以降は一気に逮捕率が落ちるというデータもあります。

時効廃止の海外事情

先進国において、殺人事件の時効はどうなっているのか?
調べてみると、制度にばらつきはあるものの、多くの先進国が時効を認めていません。

アメリカには殺人に時効はありませんし、イギリスはそもそも時効という概念がないと言われています。

また、ドイツやイタリアでは一般的な殺人の時効はありますが、計画殺人や終身刑に値するような凶悪な殺人事件については時効はありません。

ちなみに、フランスは殺人の時効はありますが、捜査当局の裁量で時効を停止することができるため、事実上時効がないのと同じ効果があります。

まとめ

ということで、時効廃止の対象となる犯罪について、改めて解説してみました。

死刑になることもある殺人罪に時効があるのは、被害者遺族にとっては許せるものではありません。
殺人を犯した者が逃げ得になるというのは、どう考えてもおかしいです。

そうしたことを考えれば、時効廃止はもっともな制度と言えるでしょう。

しかし、その一方で、時効廃止はえん罪を生んだり、捜査の限界という問題点もあることを知っておくべきではないでしょうか?

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