就活大学生に根強い人気の国家公務員。
「仕事が楽」「安定している」「福利厚生が充実している」
という理由で志望する学生が近年増えています。
しかし、そんな国家公務員の過酷な労働実態を知る人は少ないようです。
その事実を知れば、公務員なんかになりたくないと思う人もいるはず。
そこで、多くの人が知らない国家公務員の過酷な労働実態をご紹介したいと思います。
国家公務員は週40時間の労働基準法が適用されない
労働基準法では、週40時間労働と定められています。
当然これをオーバーすれば、残業が支給されます。
いわゆるブラック企業の中には、サービス残業をさせ、
残業代を払わないという会社もあります。
しかし、最近はブラック企業が問題になり、
厚生労働省も指導を強めているため、少しずつ改善されています。
ところが、国家公務員には週40時間の労働基準法が適用されないのです。
その結果、サービス残業が横行している実態があります。
国家公務員も約3割が非正規職員
国家公務員というと、一生安泰というイメージがありますが、
実は約3割が非正規の職員であることはほとんど知られていません。
そして、いわゆるサービス残業の時間数も凄まじいのです。
なかでも勝ち組と言われるエリート公務員の労働実態は過酷そのものです。
2016年3月、霞ヶ関の国家公務員労働組合共闘会議が行った
「残業実態アンケート」によれば、月の平均残業時間は約37時間。
これだけみると、それほど多くはないように見えますが、
過労死ラインと呼ばれる月80時間残業する人は9%。
なかには、月200時間の残業をする人もいるのです。
ちなみに、休日出勤を体験している人は約59%、
残業代の支払いを受けていない人も約42%いることがアンケートでわかりました。
国家公務員の残業の理由
長時間の残業を強いられる理由を調べてみると、
最も多いのが「業務量が多い」で約60%。
そして「国会対応で真夜中まで残らなければならない」が約30%を占めます。
また、省庁の中には、防衛省や外務省などのように
労働組合がないところもあるため、実態はもっと悲惨だという見方もあります。
心身の不調を訴える国家公務員は約35%
長時間労働をこなすことで、心身の不調を訴える人も少なくありません。
「不調だ」「服薬している」「通院している」と答えた職員は何と35%。
3人に1人が精神科などで治療を受けているのです。
こうした人の中には、うつ状態になったり、長期休暇に入ったりする者も少なくないようです。
まとめ
親方日の丸で、年金や社会保障も充実していると言われる国家公務員。
確かに、定年まで勤め上げれば、その恩恵を受け、おいしい老後が待っているかもしれません。
しかし、そこにたどり着くまでには民間のブラック企業も顔負けの過酷な労働が立ちはだかっているのです。