最近ニュースでは子供の貧困問題がよく取り上げられていますが、
貧困は今や高齢者をも直撃し、深刻な事態となっています。
なかでも、悲惨なのが「パラサイト破産」です。
パラサイト破産とは?
パラサイト破産とは、仕事がなかったり、病気を抱える子供が
親に頼ったあげく、破産に至ってしまうというものです。
年金だけで暮らす高齢者がパラサイト破産に陥るケースが多く、
子供もすでに中年世代であるため、事態は深刻です。
年収160万円以下の高齢者は約900万人
高齢者の貧困の実態を調査した衝撃的なデータがあります。
立命館大学産業社会学部の唐鎌直義教授が
厚生労働省の国民生活基礎調査を元にして
世帯の貧困率を独自に試算したものです。
貧困者の収入を生活保護者の受給額とほぼ同じ年収160万円以下に設定。
すると、893万5000人(2014年)が該当したというのです。
年収160万円以下の世帯は5年で200万人以上も増えていて、
現在は4人に1人の割合だといいます。
これに輪をかけているのが、パラサイト状態にある子供です。
彼らの多くは、リストラに遭ったり、うつ病になったりして、
働けなくなった中年世代で、親の少ない収入に寄生する形で
破産すれすれの生活をしているのです。
高齢者の働き口は減っている
こうした状況を少しでも改善するためには、
親は高齢とは言え、働くしかありません。
ところが、かつて高齢者がありついていた仕事に
最近は40代や50代が押し寄せるようになっています。
すると、雇う側も少しでも若い方がいいため、
結果的に高齢者は職に就けなくなるのです。
何とか仕事にありついても、
身体を壊してしまえば、仕事はできません。
しかも、働かない子供の面倒も見なければならない。
かくして高齢者のパラサイト破産が年々増加しているのです。
考えただけでもゾッとしますね。
そうした悲惨な老後を送らないためにも、
今から備えられることは備えておいた方がいいですね。