寒い冬が到来し、毎日風邪薬や胃腸薬のCMが流れています。
そのCMの最後に、「ピンポン」という効果音が鳴ります。
これは誰もが耳にしたことがあるのではないでしょうか。
そして必ず「『使用上の注意』をよく読んでお使いください」との文字が流れます。
この「ピンポン」音は一体なんのために流れるのでしょうか。
今回はこの「ピンポン」音について調べてみました。
「ピンポン」音は薬事法と関連があった
医薬品の広告について、薬事法では以下のように定められています。
『虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない』(第66条)
しかし、これだけでは具体性がなくあいまいなため役所が
「医薬品等適正広告基準」(昭和55年厚生省薬務局長通知)を出しました。
その通知を受けた厚生労働省は
『使用及び取扱い上の注意に留意すべき旨を付記し又は付言するものとする』と規定したのです。
この「ピンポン」音、実は規定されたものだったのです。
CMの表示方法には明確な規定がある
また、この「用法や用量を守って…」という注意ですが、
表示方法も決まっており、『静止した明確な文字で明瞭に1秒以上』というのが原則となっています。
かつては、『5秒以上表示すること』、という自主的な取り決めがあったのですが、
15秒CMの場合にその規定通り制作すると、かなりの限界が生じたことから、
現在はそれらの注意喚起を『明確に、最低1秒間以上表示する』と改められました。
これらの規定は、業界団体である日本OTC医薬品協会の取り決めであり、
『視聴者の注意を喚起するような音声等も併用する』と具体的に決められているのです。
この音声等というのが「ピンポン」なのです。
要するに、薬の注意書きの時に、視聴者の意識を向けるためのものだったのです。
また、中には薬らしく見えないものもあるため、
食品と勘違いしたりする方もいたり、とにかく薬ならなんでも飲めば効くというような誤解をしている人にも、
これは薬であるということ、きちんと用法、用量を守って飲むようことをアピールするためでもあります。
CMの出演タレントの「ぽんぴん」とは?
医薬品CMの出演タレントが最後に「ぽんぴん」と言葉で言うバージョンもご存じの方は多いでしょう。
これはピンポンを変形したもので、ぎりぎり許可がおりた例のようです。
また医薬品のCMは、医薬品会社が自主的に行っているものもあります。
たとえば目薬のCMは正しい点し方を示すために、
必ず目薬を点す場面が挿入されているのです。
誤った点し方をすると、目薬の汚染、また感染症を引き起こす可能性もあるため、
CMで呼び掛けているようです。
ふだん何気なくみているCMですが、ただ宣伝しているだけではなく、
注意を呼び掛けているものもあり、それを視聴者にうまく伝えられるように
色々と工夫されているんですね。