「発達障害」という心の病気は、まだまだ認知度が低いと言えます。
子供の発達障害は、学校などの施設で、周りとの違いに頭を悩ませたり、
子供自身が辛くて仕方がなく、不登校になることも。
また、保護者にとっても、どう接していいのかわからない、
相談することもできない、どうやったら治るのだろう…と、
毎日大きな悩みとなってしまいます。
ですが、発達障害は治らないものではありません。
適切な訓練や、投薬治療でいい方向に向かっている人が多数いるのです。
発達障害の特徴
まずは、発達障害の特徴をまとめてみます。
発達障害には、「不注意」「多動性」「衝動性」とがあり、
これらが混ざり合って「混合性」を持つ場合もあります。
それぞれの特徴において、どんな行動が多いのかを例に挙げてみたいと思います。
○不注意
・学業においてケアレスミスが多い。
・忘れ物が多い。
・課題などに取り組むときに、優先順位がつけられず、諦めてしまう。
・目に入ってきたものに強い興味を示し、今までのことを忘れる。
○多動性
・授業などでじっと座っていられない。
・ふざけたり、目立った行動をとりたがる。
・話し声が大きく、一方的にしゃべることも多い。
○衝動性
・自分の思ったことを行動に移さないと気が済まない。
・順番を待つことが難しい。
・他の人のものに興味をもつと、自分も同じようにしないと気が済まない。
こういった行動例は一部にすぎませんが、学校や日常生活において、
スムーズに過ごすということが、非常に難しい症状であることが解ります。
しかし、
行動する前に、それが正しいのかを判断するブレーキがないこと。
自分が満足することを、無意識に第一に考えてしまうこと。
動いていないと落ち着かず、ストレスになってしまうこと。
これらの感情や行動のコントロールができれば、
発達障害の強い症状は落ち着いてくるのです。
発達障害の治療法
治療の第一歩として、まず保護者が発達障害について詳しく知り、
対処法を学ぶ「ペアレントトレーニング」を受けるといいでしょう。
そこから、障害を抱える子供本人と一緒に、状況に応じた適切な行動を学ぶ、
「ソーシャルスキルトレーニング」を受けていきます。
支援施設や、カウンセリング施設などで相談したうえで、
このようなトレーニングを進めていくことができます。
一方で、お薬を利用して、行動に関するホルモンを調節することも有効です。
衝動的な部分をお薬で調節することで、落ち着いてくると考えられています。
子供本人は、自分が何かおかしい、人とは違うのだと、
なかなか気づいていないのかもしれません。
しかし、周りから「お前は努力が足りないから、こうやって叱られるのだ」とか、
友達から知らない間に距離を置かれることもあります。
そうなることで、子供たちは深い傷を負ってしまうのです。
症状に気づいたら早めの治療を
そうならないためにも、早い段階で保護者が子供の症状に気づき、
もしかしたら?と思ったら、医療機関や支援施設への相談をするといいでしょう。
そして、一番大切なのは、保護者は子供の一番の味方でいてあげることです。
「何もおかしくない。とても大事で、大好きなんだよ。」ということを、
しっかりと伝えて接してあげること。
こうすることで、子供は自尊心を傷つけられることなく、症状がより安定しやすくなるのです。
子供も保護者も、不安や感情の波にとらわれないように、
周囲への相談や認知を行って、適切な治療を進めていきましょう。