経済ニュースを見ていると、「賃金」という言葉がよく出てきますね。
この賃金という言葉を使った用語に以下のようなものがあります。
それは名目賃金と実質賃金。
あなたは違いを説明できますか?
そこで、名目賃金と実質賃金の違いをわかりやすく解説したいと思います。
名目賃金とは?
名目賃金とは、貨幣額で表された賃金を指します。
わかりやすく言えば、現金そのものです。
会社などから現金で支給された給料は名目賃金にあたります。
実質賃金とは?
実質賃金とは、名目賃金に物価の要素が加わります。
賃金から消費者物価指数を除することによって求めることができます。
名目賃金で購入できるモノやサービスの量を実質賃金といいます。
算出方法は、「名目賃金÷物価指数=実質賃金」となります。
名目賃金と実質賃金の違いは?
名目賃金と実質賃金の違いをよりわかりやすく説明すると、以下のようになります。
例えば、毎月20万円の賃金を得ているサラリーマンがいるとします。
名目賃金は20万円です。
仮に、彼の給料が2倍になったとします。
毎月20万円から40万円になれば大喜びしますよね。
でも、賃金が2倍になったとき、物価も2倍になっていたとしたら?
1個千円のモノは2倍の2千円になります。
つまり、買える数は変わらないのです。
仮に、賃金2倍になり、物価はそのままだったとしたら?
買える数は2倍になります。
したがって生活は豊かになります。
逆に、賃金はそのままで、物価が2倍になったとしたら?
買える数は半分になります。
したがって生活は貧しくなります。
これが実質賃金です。
つまり、実質賃金は生活のバロメータでもあるのです。
インフレとデフレ
物価の話が出てきたので、ここでインフレとデフレについても解説しておきます。
インフレとは、モノやサービスの値段が上がること。
デフレとは、モノやサービスの値段が下がること。
インフレが起きる原因は様々です。
通常は経済が成長しているときです。
世の中のお金が自然に増えて少しずつインフレになっていきます。
給料が増えてみんながたくさん買い物をしようとすれば、物価は自然と上がるからです。
デフレが起きる原因は主に不景気です。
不景気になると、世の中にお金が出回らなくなります。
人は物を買わなくなるので、物を安くしないと売れなくなります。
よくモノが安くなって何が悪いの?
という人がいますが、安くしないと売れなければ、モノを作る会社の売上は減ります。
そうなると、従業員の給料も減らさざるを得ません。
さらに悪化すると、リストラや失業が増えていきます。
こうした悪循環が繰り返されることをデフレスパイラルといいます。
まとめ
ということで、名目賃金と実質賃金、インフレとデフレについて解説しました。
名目賃金が増えても、実質賃金が増えないと生活は楽になりません。
理想は給料が増えて、物価が上がらないことですが、経済の原則から言えばそういうことは起こりません。
少しずつ自然にインフレになっていくというのが、一番暮らしやすい世の中だと言えそうです。