一時期、駅前の放置自転車が大きな問題になったことがありますが、最近深刻な問題になりつつあるのが、放置自動車です。
しかも、やっかいなのは、実害を受けていても警察が動いてくれないこと。
なぜ放置自動車が急増しているのか?
その裏には、勝手に処分できないという法律の壁がありました。
放置自動車急増の理由
放置自動車が増えている理由のひとつは、コインパーキングの急増です。
公道に放置された自動車は警察や行政側が処分することができます。
しかし、コインパーキングは私有地のため、勝手に処分できないのです。
これは大型スーパーやショッピングセンターの駐車場も同様です。
つまり、勝手に自動車を処分できないスペースが増えることによって、放置自動車も増えているのです。
放置自動車が処分できない法律
放置自動車を勝手に処分できないのは、「自力救済の禁止」という法律があるためです。
「自力救済の禁止」とは、法的手続きを取らずに権利を実現することを禁じたもの。
たとえ放置自動車であっても他人の財産であるため、所有者に無断で勝手に処分することはできないのです。
放置自動車を処分するには、所有者の承諾が必要となりますが、これが一筋縄ではいきません。
車検事務所で所有者を特定できたとしても、連絡を取れるとは限りません。
悪質な所有者だとさらに大変です。
車内に貴重品が入っていたなど因縁を付けられ、逆に訴訟を起こされることもあります。
悪質な撤去業者も増えている
放置自動車の急増で、増えているのが悪質な撤去業者です。
彼らは裁判対策は一切せず放置自動車を持ち去ります。
そして、持ち去った車は闇ルートでさっさと売りさばいてしまいます。
さらに、価値のないボロ車は撤去費用だけ取って、車を修理工場に出して、そのままにしておくという悪質な業者もいるようです。
一方、放置自動車の撤去を頼んだ土地のオーナーはそんなことは全く知らず、あとで車の所有者から訴えられることも。
実際に裁判に負けて200万円支払わされたというケースもあります。
とにかく、放置自動車は今やとてもやっかいな社会問題となっているのです。
まとめ
ということで、放置自動車の困った実態について紹介しましたが、法整備がきちんとされない限り、この問題は今後もなくならないでしょう。
それにしても、私有地の放置自動車は民事不介入という原則が適用されて警察が何もできないというのは問題ですよね。
ちなみに、民間の駐車場によく「違法駐車は罰金10万円」という張り紙をみかけますが、これは法的拘束力はなく、警告の意味合いしかありません。
問題だらけの放置自動車、何とかして欲しいものです。