近年、農業を始める若者が増えています。
彼らの多くは、ストレスの多い都会でのサラリーマン生活に見切りをつけて大自然の中で生きてみたいという人たちです。
実は、若者の間で農業ブームが起きているのには、大きな理由があります。
それは、国から補助金を受けられることです。
正式名称は、2012年にスタートした青年就農給付金制度。
現在は「農業次世代人材投資資金」という名前に変更されています。
この給付金制度、調べてみると、非常に手厚い制度なんです。
そこで、早速紹介したいと思います。
目次
農業次世代人材投資資金(旧青年就農給付金)とは?
次世代を担う農業者目指す人に対し、準備資金を支援する制度です。
農業次世代人材投資資金(旧青年就農給付金)の交付対象者数(平成28年度時点)は14,779人。年間で3000人以上の人が給付金制度を利用しています。
給付金は「準備型」「経営開始型」の2種類。
いずれも年間150万円が支給されます。
違いは支給期間で、「準備型」は2年、「経営開始型」は5年となっています。
準備から経営開始まで両方の給付金を受けることも可能で、そうすると、7年間で1050万円受け取れることになります。
農業次世代人材投資資金(旧青年就農給付金)の利用者
給付金を受ける人の年齢層は以下の通りになっています。
準備型(2年以内)
20代が最も多く(41%)、
次いで30代(33%)、
40代(15%)、
10代(12%)の順です。
男女別では、男性が84%、女性が16%。
非農家出身者の割合は63%となっています。
経営開始型(5年以内)
年齢別には、30代が約半数、
次に40代(32%)、
20代(19%)の順です。
男女では、男性が83%、女性が17%。
個人・夫婦別でみると、、夫婦共同経営の場合が21%。
非農家出身者はほぼ半数です。
農業次世代人材投資資金(旧青年就農給付金)を受けるメリット
これから農業を始めようと考えている人にはうってつけの制度でしょう。
何しろ、年間150万円が手に入るんですから、もらわない手はありません。
150万円あれば、バイトと掛け持ちしなくとも、農業に集中できますし、生活費だけでなく、設備投資に使うこともできます。
農業次世代人材投資資金(旧青年就農給付金)を受けるデメリット
年間150万円の給付金がもらえるからといって、給付金欲しさだけで申請するのは絶対にNGです。
給付金は、半年ごとに支給されますが、その都度給付申請が必要となります。
このときに虚偽の申告をしたり、就農する気がないと判断された場合は給付金の返還を求められるので、注意が必要です。
受給期間の1.5倍の期間は営農しなれければ返還義務が生じるのです。
つまり、準備型で、2年間給付金を受け取っていれば、3年は営農しなければなりません。
また、補助金があるならやってみようかという安易な考え始めると、結局は離農の道を辿ることになります。
まとめ
ということで、若者の間で広がりを見せる農業ブームですが、真剣に農業で生きることを考えている人のとって、農業次世代人材投資資金(旧青年就農給付金)は非常にありがたい制度であることは間違いありません。
実際、給付金を受けて農業を始めた人の中には、インターネット販売を行ったり、農業体験ツアーを企画したりして、成功を収めているもいます。
農業はアイデアしだいで無限の可能性を秘めていて、国の手厚い支援を受けられる今は就農希望者にとってチャンスともいえるでしょう。
興味のある人は、市町村の農業関係課に問い合わせてみてはいかがでしょうか