食中毒は季節を問わず気を付けるべきことなのですが、
特に高温多湿である日本の夏では、菌の繁殖力が増すので、
より一層気を付けなければなりません。
とはいえ、事前に予防できるというのも食中毒の大きな特徴でもあります。
夏になると急増する食中毒の被害…そのための予防法や、
気を付けたい食品をまとめていきたいと思います。
食中毒とは?
まずは、そもそも食中毒とはどんなものなのかをおさらいしていきましょう。
食中毒は別名で“食あたり”とも言われていて、
原因はその名前にある通りずばり食べ物です。
・細菌
・ウイルス
・寄生虫
・自然界の毒
こうしたものを含んだ食べ物を口にすることで、いつもよりも激しい腹痛や、
嘔吐下痢、時には血便症状が現れます。
時には激しい症状により、命にかかわってくることも。
細菌というのは、「O-157」などテレビでも名前をよくきくものが分類されます。
他にも「ビブリオ菌」や、生卵にいると言われている
「サルモネラ菌」なども細菌に含まれます。
様々な原因がある中でも、特に夏場は気温が上がることで
細菌の活動が盛んになってしまうので、食中毒患者が増えるとされています。
ウイルスでは「ノロウイルス」が最も有名で、
こちらは逆に冬の低い気温の中で多くなります。
インフルエンザと同じくらい、名前を聞くようになったのではないでしょうか?
新鮮な生魚にいることで話題になっている寄生虫や、
キノコなどに含まれる毒にあたった場合も食中毒に分類され、
すべての患者数を総合すると、どんな病気よりも多いのではないか?と思えるほど、
食中毒での患者数は多くなりそうです。
食中毒になったら?
食中毒はどんなに気を付けていても、完全に予防できるとは限らないものです。
そんな時には、食中毒になった時の対処法を知っておきましょう。
細菌やウイルス性の食中毒になった場合、嘔吐や下痢の他にも、
熱が出たり酷い腹痛に悩まされるので、“普通の状況じゃない”と
自分でも感じることができます。
そんな時には、たかが腹痛や下痢などと思わずに、
すぐに医療機関へと足を運んでください。
また、下痢が症状として出ている時には、余裕があれば自分の便の色を覚えておいて、
医師に伝えることができるといいですね。
特に血便や粘膜が混ざったような異様な便の場合は、迷わず医師に伝えるべきです。
こんな時でも我慢すれば何とかなる…と思って病院へも行かず放っておく人もいるようですが、
その分だけ内臓の粘膜を傷つけていると思ってください。
時間が進めば進むほどに、重症化してしまうので気を付ける必要があるのです。
明らかに状態が悪いのにもかかわらず、放っておくのは頭がいい方法ではありません。
回復して来たとしても、急にこれまでと同じ食事にせずに、
消化の良いものから少しずつ食べていきましょう。
例えば、おかゆや雑炊などがオススメです。
また、スポーツ飲料や経口補水液を温めて、水分補給をしましょう。
冷たい飲み物は、体の回復が追い付いてきてからにしたいですね。
あとは、しばらくの間は辛い食べ物など、
内臓に刺激を与える可能性のあるものは食べないようにして、
徐々に回復していきましょう。
夏に気を付けたい食材は?
食中毒は食材から起こる中毒なので、
ここで特に気を付けたい食材をチェックしていきましょう。
・肉類
夏はバーベキューなどのレジャーが増えますが、こんな時こそ肉には要注意です。
O-157などの細菌は、高温多湿な状況でどんどん増えていきます。
バーベキューの場合は焼くまでの保存状況が悪いと、
その時点で菌に侵されているのかも知れません。
食べるときにはしっかりと焼いて、
あまりレアな状態では口にしないように気を付けましょう。
・煮込み料理
シチューは夏にはあまり食べませんが、カレーやスープは
夏場でもおいしく食べることができますよね。
しかし、たくさん作って鍋に残っていると、「ウェルシュ菌」という細菌が
鍋の中でどんどん繁殖していきます。
ウェルシュ菌は鍋の中のような空気がない温かい場所が好きなので、
できるだけ早く保存容器などに移して小分けにし、冷蔵庫保存しておきましょう。
また次に食べる時には、空気をしっかりと含ませるように混ぜて温めましょう。
・おにぎり
一年中お弁当だという人は多いものですし、お子さんがお弁当を持っていく
というお母さんもたくさんいますよね。
そんなとき、手のひらで握るおにぎりは細菌の温床になりやすいです。
人の手には、「ブドウ球菌」がくっついていることがあり、
熱にも強い菌なのでとてもやっかいです。
特に、傷がある手や絆創膏をしているような手では、
おにぎりを直接的に握るのは避けたいところ。
そういった時にはラップを使って握ったり、
握る前に手をしっかり洗浄することが大切です。
ワンポイントとして、おにぎりや、お弁当のご飯部分には梅干しを入れておくと
殺菌効果が望めるので、一粒入れておくといいですよ。
ちなみに、おにぎりと同じように手を使って作るお菓子や料理も、
同様に危険な点があるということを覚えておきましょう。
食中毒の予防法
これまでに紹介してきたように、食中毒の原因はウイルスや細菌です。
これらは殆どが熱に弱いので、加熱をすることが一番の予防法となります。
また、野菜を洗うこと、手を洗うことも重要なポイントです。
・肉や魚はよく焼く
・手洗いをしっかり行う
・使う食材をしっかり洗う
・料理の保存は冷蔵か冷凍にする
こうしたいくつものポイントをしっかり押さえて、毎日の料理を行なったり、
楽しい季節のレジャーを不安なく過ごしたいものですね。
まとめ
食中毒で夏に増えてくるのは、細菌が原因のものが殆どです。
特に、肉の生焼けや生卵、高温多湿の環境下では、
すべての食べ物が腐りやすくなってくるので、注意が必要です。
食中毒を予防するには、料理をする手を清潔にし、
洗浄が必要な食材はしっかりと洗うこと。
また、肉や魚の生焼けをなくし、保存もしっかり冷蔵状態を保つなどの対処が必要です。
そして、もしも食中毒の症状が出てしまった時には、慌てずに医療機関を受診して、
決して我慢しないようにしましょう。
おかしいな?と感じた時には、どんどん症状が進行している最中かもしれません。
なので、早期的な治療をうけて、無理せず安静にして体を治していきましょう。
ですが何より、しっかりと予防をすることが、
辛い症状を出さない最大のポイントとなりますので、
自分にできることは最大限に行うといいですね。