食べ物に関する迷信は昔からいろいろとあります。
「酢を飲むと体がやわらかくなる」というのもそのひとつです。
これはまったくの迷信で、科学的な根拠はありません。
では、なぜ酢を飲むと身体が柔らかくなると言われるのか?
お酢の主成分である酢酸が迷信の由来
酢を飲むと身体が柔らかくなると言われるのは、
お酢の主成分である酢酸の働きに由来しています。
酢酸には、タンパク質を分解して肉を柔らかくする働きがあります。
例えば、マリネ。酢の入ったドレッシングに肉を漬けておくと、やわらかくなります。
こうしたことから「酢は肉を柔らかくする」=「人の身体も柔らかくなる」
と、考えられるようになったという説が有力です。
しかし、酢の入ったドレッシング漬けた肉がやわらかくなるのは、あくまでも料理上の話です。
人が酢を飲んでも消化の段階で分解されてしまうため、筋肉が柔らかくなるということはないのです。
身体の柔らかさは関節や筋肉の柔軟さで決まる
身体の柔らかさを決めるのは、人間の関節や筋肉です。
生まれつき身体の柔らかい人もいますが、
柔軟性は基本的には運動などのエクササイズで養われます。
酢は身体を柔らかくする間接的な効果がある
酢を飲めば、身体が柔らかくなるというのは迷信ですが、
全く効果がないのかと言えば、そうではありません。
酢は疲労回復に効果があると言われますが、
これは酢酸が分解してできるクエン酸の働きがあるからです。
クエン酸には血管の拡張、血行の改善効果があり、
筋肉に溜まった疲労物質である乳酸を分解してこりをほぐす働きがあります。
疲労が溜まれば、筋肉が硬くなり、その分の柔軟性は落ちるでしょう。
柔軟性を回復させるという意味では、酢は間接的に効果があると言えるわけです。
まとめ
お酢が身体を柔らかくするというのは迷信ですが、
「疲労で凝り固まった筋肉を柔軟にする」という働きはあります。
そういう意味では、100%間違いとは言えません。
身体の柔軟性を高めるためにエクササイズを行い、
運動後の疲労を素早く回復するために酢を摂取する。
そうすれば、間接的にお酢が身体を柔らかくすると言ってもいいかもしれませんね。