2019年卒業予定の大学生の就職活動がいよいよ本番を迎えています。
今年から選考開始が6月に前倒しされたため、
早めに準備を始めている学生も多いと思います。
さて、そんな就活ですが、
多くの大学生が一番気になるのが、
「内定」と「内々定」の違いではないでしょうか?
そこで、この「内定」と「内々定」の違いを
わかりやすく解説したいと思います。
・そもそも内定とは?
「内定」というと、まだ採用が決定していない
という風に考える人も多いようですが、
実際は法的にはどれくらいの効力があるのでしょうか?
通常は、企業が内定通知を出した場合は、労働契約は成立したと考えられます。
法律の条文で定められているわけではありませんが、
過去の裁判の判例などから労働契約は成立したとみなされます。
・内々定とは?内定とどこが違う?
内定が企業との労働契約が成立していると認められているのに対し、
内々定は労働契約は成立していません。
実際に内々定通知をもらった学生が採用を取り消された例もあります。
学生は裁判に訴えましたが、労働契約が成立したとは認められませんでした。
ただし、このケースでは、学生の「期待権を侵害した」として、
企業側は損害賠償の支払いを命じられています。
・企業は学生の内定を取り消すことができる?
企業側が学生に対し、内定の取り消しを行うことは、
事実上の「解雇通知」にあたります。
これは原則的に認められません。
たとえ会社の経営が悪化したという理由でもダメです。
裁判になれば、企業は敗訴するでしょう。
ただし、企業が内定を取り消すことが可能なケースもあります。
それは、学生が単位を取れなかったため、卒業できなかったとき。
また、就職できないほど健康が著しく悪化した場合も内定を取り消せます。
さらに、学生側が経歴を詐称したりした場合も内定取り消しは成立します。
・内定は文書がなくても口頭でも成立する?
原則的に「口頭でも内定は成立」します。
ただし、口約束の場合、あとでトラブルになる場合もあるので、
書面など記録に残る形の通知を受けた方が間違いないでしょう。
・学生は内定を辞退することができる?
これはもちろん辞退できます。
企業の中には、就活生に他の企業へ就活させないため、
内定を出す条件に「内定承諾書」の提出を求める場合があります。
しかし、内定承諾書は法的には拘束力はないため、
就活を続けたとしても、内定取り消しの理由にはなりません。
以上、就活生の内定と内々定について解説しました。
就職活動で困ったときは一人で悩まず、
専門の相談窓口でアドバイスをもらうようにしましょう。