ニューラルネットワークとは、コンピューターに、
人間の脳神経系のはたらきを採用したもののことを指します。
コンピューターは、例えば身近なものだと
パソコンなどの中で大量の計算を一瞬にして行っているもののこと。
人間にはできない大量の数字を高速で処理して、あらゆる動作を起こしています。
しかし、そんなコンピューターもあらかじめ
「プログラミング」をしなければ、計算をしてくれません。
「○○をするための××」という動作の流れを、インプットしておかなければ、
コンピューターはただの機械のかたまりにすぎません。
そして、そのプログラミングがとても難しく、時間がかかってしまうのが現実です。
より高度な動作をさせようとすればするほど、
コンピューターへのインプットは大変なのです。
人間は、コンピューターとは違います。
目の前の状況に応じて行動を起こしたり、
正しいのか間違いなのかを判断することもできます。
そして、それを行っているのが脳細胞です。
ニューロンをコンピューターに応用したのがニューラルネットワーク
人間の脳細胞は100億個以上と言われ、「ニューロン」と呼ばれています。
このニューロンは、互いに手をつなぐように連結しており、
数珠つなぎ状に広がっています。
このニューロンを神経伝達物質が通ることで、
刺激を受けて体が反応するという流れができあがります。
熱いお鍋を触ったから手を引っこめたとか、食べ物を食べると唾液が出たという反射。
それだけでなく、「歩く」「走る」などの基本的な動きも、
ニューロンに刺激が伝えられることで、筋肉を動かしているからできるのです。
このニューロンを、コンピューターに応用したのが、「ニューラルネットワーク」です。
人間の脳細胞の働きをより詳細にコンピューターの中に再現
コンピューターに、人間の脳細胞のはたらきを再現するのはとても大変なことでした。
ニューロンのはたらきを、数式に変えなければなりませんでした。
これを「モデル化」と言います。
最初は1943年に、マッカロックとピッツという人物によってモデル化されました。
そして、その後モデル化をもっと詳細にしていき、
間違いを訂正して学ぶ「学習」の能力を再現します。
こうすることで、人間の脳細胞の働きを、
より詳細にコンピューターの中に再現できるようになりました。
しかし、ニューロンにも限界があり、実現できていない問題も数多く存在していたようです。
そのため、複数のニューロンを結合させるという
「ネットワーク」を作り出そうとしたのです。
そして、その結合の形の違いによって、あらゆる種類のネットワークが作られました。
これにより、コンピューターにも様々な特徴を持ったものが生まれてきたのです。
人とコンピューターとは全く違うものです。
しかし、人間の処理能力を活かしたコンピューターというのが、
今では一般的なものになっています。
どんどん進化するコンピューターの世界。
どれだけの優れた技術が生まれていくのか、興味深いですね。