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幼児の言語発達障害の症状と原因 その対策法は?

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言語発達障害とは、知能検査で動作など、ことば以外の知的能力に比べて、ことばの能力を表わす得点がある程度より低い場合にそう呼ばれます。

・年齢に比べて使える単語の数が著しく少ない
・時制のまちがいをおかす
・長い文章、複雑な文章を表現することばの力が遅れている
・単語や文章あるいは特定のジャンルのことばの理解ができない
・会話が困難なほど発音が正しくできない

など様々な場合があります。

言語発達障害は自閉症とは区別されている

精神発達遅滞や感覚器の障害のある場合もあり、また自閉症とは区別されています。

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症状の現れ方として、生後半年くらいはほとんど異常が認められないことが多いのですが、通常、人見知りやあと追いがみられる時期になってもそれがみられず、簡単な身ぶりのまねを促しても、なかなかのってこなかったりします。

幼児期になると、発語が遅れることが多く、聴覚障害の疑いがもたれることもあります。
話し言葉の理解はよくても発語がうまくできない、正確に指さしができない、自分の意思を言葉で表現できなかったりします。

さらには、歩行開始が遅れたり、歩けるようになってもひどくぎこちなく、よく転んだりする場合もあれば、はいはいの時期があまりなく、歩き始めも早くて、歩き出すとじっとしていることがなく、母子の間でゆったりとした交流がもてなかったりします。

相手の身ぶりをみて相手の意思を読み取ろうとしたり、自ら身ぶりで意思を伝えようとする仕草がみられることもあります。

後期になってくると、じっとしていられず、始終動き回ります。
ささいな刺激にもすぐに反応して、集中力がなく、何かをさせようとしてもすぐにほかのことに気が移りやすくなります。
集団遊戯にもなかなか参加できず、自分勝手なひとり遊びに逃げ込みやすいところがあります。
情緒面でも不安定で、かんしゃくを起こしやすかったり、衝動的に突発的な行動をすることもあります。
とくに集団生活のなかで不適応が顕著になってくると、そのような場面がみられやすくなります。

学童期になると読み書きなど学習面で支障

学童期になると、多少なりとも落ち着いてきますが、学習面での特有な障害が顕著になってきます。
本を読んだり、文字を書いたり、計算したりする能力の獲得に著しい困難を示すようになります。

一つ一つの文字は読めても文章の内容の理解が難しかったりと、子ども自身に苦手意識が芽生えてしまいます。
そうなると、苦手な課題に対して回避的になり、生活面でさまざまな問題が生じてくるようになります。

大人との間ではある程度うまく振る舞うことができても、同年齢の子どもとの交流は困難になります。
次第に集団のなかから孤立するようになり、被害的な気持ちをもち、他の子どもに対して攻撃的行動を示すこともあります。

言葉の発達が遅れる原因

言葉の発達が遅れる原因は、次のようなものがあります。

・難聴
難聴の程度が比較的軽い場合で、近くで声をかければ振り向くため、難聴に気づきにくいのですが、ことばを100%聞き取れるわけではないので、言語発達が遅れます。
難聴児の言語発達の遅れは、能力の欠陥によるものではないので、早く発見して適切な対策を講じれば言語発達を促すことができます。

・精神遅滞
基本的には言語習得能力の低さが原因ですが、人間の脳は、少なくとも思春期ごろまでは成熟が続き、言語習得能力もその子なりのペースで発達するので、長い経過でことばが発達してくる可能性があります。

・情緒発達の遅れと情緒障害
親が育児に不熱心だったり、子どもが嫌いで、虐待に走るなどによって、子どもに情緒障害が生じます。
また、行動がマイペースで、親子のコミュニケーションができにくい子どもがいます。
いわゆる自閉的な子で、情緒的にコミュニケーションができにくい行動特徴が、言語発達の大きな妨げになります。
情緒の発達は、一般に子どもどうしのふれあいのなかで、脳の成熟にともなって改善してきます。

・体験不足
両親が聴覚障害で、家族内のコミュニケーションが手話に限られたり、ひとりっ子で家庭に閉じこもる、近所に遊び相手がいないといった環境にある場合、ことばによるコミュニケーションや、精神発達や言語発達に不可欠な原体験・実体験が不足し、これらが言語発達の遅れを招きます。

・運動性発語発達遅滞
知能の遅れがなく、他人の話は年齢相応に理解できるのに、ことばを話す面だけが特異的に遅れたタイプです。
箸や鉛筆が上手に持てない、かんで食べる食物を嫌うなどといった、舌や指の精細運動の発達の遅れや、不器用など運動機能に関する問題を有することが少なくありません。
簡単にいえば、ろれつが回らないのがこの種の子どもの特徴です。
この運動上の問題は、麻痺が原因ではないので、脳の成熟にともなって改善してきます。

・小児失語症
言語獲得後(2歳以上)になって、大脳の言語中枢が損傷されるか、てんかんにともなって生じる言語障害です。
幼児の脳は成熟の途上にあるため、ことばの回復する能力はおとなに比べると高いのですが、学校で学業についていくのは一般にむずかしく、個人的配慮が必要になります。

・遺伝や周産期障害
血縁者に類似の障害をもった人の有無や、胎生期の異常の有無、新生児期の生育状況、乳児期の既往症など、家族歴、既往歴の検討をする必要があります。

原因が判明すれば、それに応じた治療・対策をたてることができます。

発達障害が疑われたら専門家の診断を

発達障害が疑われたら、専門家による診断を受けることが望まれます。

耳が正常に聞こえているかどうかを調べるためには、まず聴力検査を行ないます。
次に精神発達検査を行ない、精神発達に遅れがないかを調べます。
その後、耳鼻科的局所検査、随意運動の発達検査などを行ないますが、これら一連の検査の過程で、子どもの行動も注意深く観察します。

精神遅滞児については、専門の指導機関か福祉センターなどで、言語聴覚士の指導を受けるのがよいでしょう。
情緒発達に遅れのある子どもは、一般的にいって保育園のような子どもどうしの集団へ入れるのが効果的です。
このような環境で社会性が発達してくると、ことばによるコミュニケーションも発達してきます。

親が子どもの自発性が育っていくように心がけることも大事

精細運動の不器用な子どもには、全身運動に加えて指を使う遊びがよく、とくに食生活においても、子どもが好む、かまざるをえないような食物を与えると、間接的ながらも発語の発達をうながす訓練になります。

しかし、治療は専門家にまかせるのではなく
・言語発達のレベルに合わせた言葉かけをする
・集団遊戯はその子に合わせた簡単な課題から取り組めるように工夫する
・温かく励ましながら少しでも成功した喜びを体験させる
など、子どもの現在暮らしている場での生活を保証しながら、意欲を高めて自発性が育っていくように心がけます。

また、専門家から学習面だけでなく情緒面のチェックを受けながら、園や学校の担任とも連携をとっていくことが大切です。

多動や情緒障害が著しく、子どもへのはたらきかけが困難な時には、児童精神科医による薬物療法が必要になることもあります。

子どもが喜んでやることは身につきますが、嫌がるのをむりに教え込む言語訓練は更に子どもに負担がかかり、避けなければなりません。
親子の情緒の安定も重要です。

言語障害のある子どもは、普段から周囲の人に話の内容が分かってもらえず引け目を感じたり、友達が話しかけてくれても言葉が出てこないために返事ができなかったり、会話がうまく成立しないため心理的に不安定になったりすることがあります。

このような不安や緊張が重なり、周囲とのコミュニケーションをあきらめてしまったりする子どももいます。

自分から周囲とコミュニケーションをとろうとすることが少ないかもしれませんが、本人の良いところや得意なことを大切にして関わり、社会性の発達や自己肯定感の育ちを損なわないよう配慮することを心がけることが大切です。

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