ネットである犯罪のことを調べていたら、興味深い言葉を見つけました。
それは「ソーシャルボンド理論」という言葉。
ボンドで犯罪というと、007のジェームズ・ボンド!?
と思ったら、全然違いました(笑
ソーシャルボンド理論というのは、「社会的絆理論」という意味だそうです。
で、調べていくと、なかなか面白かったので、記事にしてみました。
目次
ソーシャルボンド理論とは?
ソーシャルボンド理論は犯罪心理学の用語。
アメリカの社会学者ハーシが生み出した理論で、人と犯罪行為について考察したものです。
ソーシャルボンド理論が面白いのは・・・
「なぜ人は犯罪行為を起こすのか?」
ではなく、
「人はなぜ犯罪行為を起こさないのか?」
に焦点を合わせた点です。
つまり、ソーシャルボンド理論では、人が犯罪を起こさないのは社会との絆があるから。
その絆が弱まったり、壊れたりしたときに犯罪を犯すと考えます。
ハーシは、この社会的絆(ソーシャルボンド)について、4つの絆を提唱しています。
愛着(attachment)
人は家族や友人など親しい人への愛情から、その相手に「悲しい思いをさせたくない」という思いを持ちます。
これが犯罪や非行を抑制しているというのです。
投資(commitment)
犯罪を犯して刑罰を受けると、これまで積み上げてきた努力が台無しになります。
これまで自分がよりよく生きるために「投資」してきたものを無駄にしたくないという感情が犯罪を抑止するというのです。
巻き込み(involvement)
仕事や趣味などの活動が忙しくて,犯罪なんて考える暇もない状態が「巻き込み」です。
人と積極的に関わっていくと、絆も生まれて犯罪を起こすことはなくなるというのです。
信念(belief)
理性的な人は社会のルールや法律などに従うべきだという「信念」が強いものです。
こうした人たちは当然犯罪を起こす可能性は低くなるというのです。
ソーシャルボンド理論からわかること
こうして4つの絆を見ていくと、人がなぜ犯罪を犯すのか、犯罪を犯さないためにはどうすればいいのかがなんとなくわかってきます。
まず、一番目の愛着。
親や友人などから愛されないで育つと、非行に走りやすくなるのは確かですね。
次に、投資。
勉強やスポーツなど努力もせず生きてきた人間が反社会的行為を犯すというのはよくあるケースです。
そして、巻き込み。
暇を持て余していると、ろくな事を考えないと言われます。
そういう人間は、つい非行に走ってしまうことがあります。
最後に、信念。
道徳的な信念を持たない人が犯罪を犯すというのは納得がいきますね。
まとめ
犯罪を起こした人の事件の前の状況を調べていくと、社会的に孤立していたりするケースが多いですよね。
そういう意味で、犯罪を抑止するには「社会的絆」がとても大事だというのが、ソーシャルボンド理論です。
犯罪を起こす人を「自分とは違う頭のおかしい人間がやるもの」と考える人が多いようですが、「社会的な絆が失われると、誰でも犯罪を犯す可能性のあるもの」と考えた方がよさそうです。
改めて「絆」の大切さを実感させられました。