知らずにやったことが犯罪になる。
日常生活の中では、意外な行為が軽犯罪に問われることがあります。
最悪の場合は逮捕されることもあるのをあなたはご存知でしたか?
そこで、知らなかったでは済まされない軽犯罪法違反の事例を調べてみました。
え〜こんなことが犯罪になるの?
と、驚くはずです。
それでは、早速ご紹介したいと思います。
目次
軽犯罪とは?
そもそも軽犯罪とは、どんな罪のことを言うのでしょうか?
軽犯罪法は昭和23年5月1日に施行された法律です。
軽微な秩序違反行為に対して拘留、科料の刑を定めています。
簡単に言えば、公序良俗に反する迷惑行為が軽犯罪に当たります。
軽犯罪法違反に問われると、最大1年の懲役または100万円の罰金が科せられます。
では、早速具体的な事例について見てみましょう。
事例の中には、法律的には軽犯罪法違反ではない別の罪状にあたるものも紹介しています。
軽犯罪と勘違いしやすいためです。
駅や飲食店のコンセントを使って無断でスマホを充電する
これはついうっかりやってしまいそうですが、「電気強盗」と呼ばれる犯罪です。
女子高生が駅ビル通路のコンセントでケータイを無断充電して検挙された事例もあります。
法律上、電気は財物と見なされ、勝手に使うと、窃盗になります。
他人の子どもを大声で叱る
ケースによって異なりますが、軽犯罪法違反が適用されることがあります。
たとえば、叱るときに「殴るぞ!」「殺すぞ!」など、子どもに恐怖を与える言動は脅迫罪になります。
行列に乱暴な言葉を吐いて割り込む
飲食店やチケット売り場、電車やバスの行列に乱暴な言葉を吐いて強引に割り込むのは、犯罪です。
軽犯罪法1条13号では「公共の場所において多数の人に対して、著しく粗野な言動で迷惑をかける行為」と規定されています。
目に余る乱暴な振る舞いをすると、逮捕されます。
酔っ払ってタクシーで嘔吐する
故意にやった場合は業務妨害罪になる場合がありますが、通常では民事により損害賠償に相当します。
賠償額は状況により異なりますが、座席や車内の清掃だけなら、2万程度の実費を支払うことで解決します。
ただし、状況が酷く、その日は営業できなくなったときは、本来なら稼げたはずの利益まで賠償を求められるケースもあります。
家族に届いた手紙を勝手に開封する
これは「信書開封罪」(刑法133条)に問われる可能性があります。
たとえば、夫婦仲が悪く、離婚調停中の妻の手紙を夫が勝手に開封すると、処罰される可能性が高くなります。
指定日の前日の夜にゴミを捨てる
早朝のゴミ出しが面倒くさいという理由で、前日の夜中にこっそりゴミを捨てる。
たかがゴミ出しと思うかもしれませんが、ルr−ルを破れば立派な犯罪です。
廃棄物処理法16条には「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない」と規定されており、違反すれば5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金となります。
過去に兵庫県では、指定された回収日以外に何度もゴミ出しした主婦ら3人が3〜5万の罰金を科せられた事例があります。
盗まれた自分の自転車を見つけたので勝手に持ち帰った
自分のものを自分で持ち帰る。
一見何の問題もなさそうですが、これも罪に問われる場合があります。
盗まれた自転車第三者に転売されている場合もあり、その場合は窃盗罪もしく遺失物横領罪に問われる可能性があるのです。
面倒でも発見場所の管理者に連絡、もしくは警察に届け出るようにしましょう。
ホテルの備品を持ち帰る
ホテルや旅館の部屋にある石けんやシャンプーはミニサイズで使い切りのものであれば問題ありません。
しかし、バスタオルやスリッパなどを持ち帰ると、犯罪になります。
ホテルや旅館の宿泊時に偽名、虚偽の住所を書く
これは「旅館業法違反」になります。
ホテルや旅館では、器物破損に備えて、宿泊者に住所・氏名を書かせています。
ここで虚偽の名前を書くのは罪に問われます。
ちなみに、かつてオウム真理教の信者がこの罪で別件逮捕されています。
自動販売機でドリンクを買ったら1本多く出てきたので持ち帰った
2本出てきたら、軽い気持ちでもらってしまいがちですが、これは厳密言えば犯罪です。
自動販売機の管理者は誤って出てきた2本目のドリンクをもらってもいいとは認めておらず、無断で持ち去ることは罪になります。
ゴルフ場のロストボールを持ち帰る
ボールの所有権はゴルフ場にあるため、窃盗あるいは遺失物横領罪に当たる可能性があります。
過去には、15年もの間、ゴルフ場の池に潜り、ロストボールを盗んではショップに売っていた男が逮捕された事例もあります。
自宅で妻や娘の風呂を覗く
これは刑事事件になる可能性は低いですが、犯罪になり得る可能性もあります。
軽犯罪法1条23号により、正当な理由がなく、人の住居、浴場、更衣室、便所などを覗くことは禁止されています。
たとえ家族であっても、夫婦関係が冷え切っていた場合、妻が通報すれば、罪に問われる可能性があります。
定職に就かず町をふらふらする
軽犯罪法1条4号の「働く能力がありながら、職業に就く意思を有せず、一定の住居を持たない者で諸方をうろついたもの」に該当する可能性があります。
ホームレスはどうなるんだという指摘もあるようですが、実際に54歳の男性が「浮浪」容疑で奈良県警に現行犯逮捕された事例もあります。
まとめ
いかがでしたか?
意外な行為が罪に問われることに驚いた方も多かったのではないでしょうか。
本記事で紹介したものの中には軽犯罪法違反以外の罪状に問われる事例もありますが、混同しやすい迷惑行為ということでとりあげました。
軽犯罪といえども犯罪は犯罪です。
知らなかったでは済まされませんし、最悪の場合は逮捕されることもあります。
きちんと法律を守って日常生活を送ってください。