平成12年4月より、6歳未満の乳幼児へのチャイルドシート使用が法律で義務化されました。
しかし、チャイルドシートについて大切なことがまだまだ周知徹底していないのが現状です。
法律化される前に免許をとった方や、免許を持っていない方、また法律化した後に免許を取得したドライバーなど、チャイルドシートについて、あやふやになってしまっているかもしれません。
親なら知らないと困るけれど、意外と知られていないチャイルドシートに関する法律をご紹介します。
チャイルドシートは6歳未満に着用義務
何歳まで着用すればよいのかという疑問が多いチャイルドシートですが、法律上は6歳未満の乳幼児にチャイルドシートを着用させる義務があります。
ただし、年齢が6歳以上でも身長が140cmに満たない場合、シートベルトだけでは、まさかの事態で乳幼児の安全を守ることはできません。
そのため、身長140cmまではチャイルシートを必ず着用させましょう。
子供が6歳以上になると、シートベルトが義務化されますが、シートベルトは140cm以上の人の安全が守られるように設計されています。
そのため、140cm未満でのチャイルドシートを使用せずにシートベルトを着用した場合、大きな衝撃を受けた時に、首やお腹をシートベルトに圧迫されて、首の骨や内臓が損傷する危険性があります。
チャイルドシート着用により助かっている命も多いです。
「面倒だ」「短時間移動だから」と着用させず、大怪我をさせてしまう悲しいケースも少なくありません。
ちょっとの油断で悲しい未来を作らないためにも、周りの方にきちんと協力をお願いし、小さな命を危険から守りましょう。
自家用車以外のチャイルドシート着用義務は?
それでは、自家用車以外はどうでしょうか。
・バス、タクシー
バスやタクシーなどの公共交通機関を利用することも多いと思いますが、バスやタクシーなどを利用する場合は、チャイルドシートの使用義務は免除されています。
ただし子供の安全を考えると、家からタクシーを呼ぶときなどは、念のためチャイルドシートのついている車輌はないかどうかを確認すると良いでしょう。
・レンタカー
レンタカーの場合、借りる際にチャイルドシートを予約する必要があります。
レンタカー会社にはチャイルドシートが用意されています。
ただし、既に貸し出しの予約が入っていて借りられなかったというケースもあるようですので、早めにお申込みしておいたほうがよさそうです。
・親戚や友人の車
チャイルドシートのない親戚や友人の車に乗るときも、6歳未満の乳幼児にはチャイルドシート着用が義務付けられています。
面倒だと思っても、バスかタクシーに乗りましょう。
内心断りづらいと感じるかもしれませんが、万が一の事態が起きた場合、乗せてくれたドライバーにも迷惑がかかってしまいます。
・旅館などの送迎車
旅先で旅館やホテルの送迎車を利用する場合には、あらかじめ確認して設置をお願いしましょう。
乳幼児はチャイルドシートがなければ乗車できません。
また、自家用車でも次の場合はチャイルドシート着用を免除できます。
・設置できる台数以上の子供を乗せる場合
車に設置できるチャイルドシートの数は限られます。
設置可能台数のチャイルドシートを車に設置し、チャルドシートに座れる数の子供以上の子供を乗せる場合、チャイルドシートを使用できない子供への着用義務は免除になります(ただし、車両定員内の子供に限る)。
またチャイルドシートが装着できない特殊な構造の車の場合にも、使用義務は免除になります。
シートベルトがついていない車や、4~5点式のシートベルトの車などです。
・車内で授乳やオムツ替え時
赤ちゃんのオムツ替えやお食事など、すぐにお世話をする必要があり、チャイルドシートを着用しているとお世話ができない場合、チャイルドシートの着用義務は免除されます。
ただし子供とお世話をする人の安全を考えると、やはりチャイルドシートを外すのは危険です。
やむを得ない場合は仕方がありませんが、安全のためにもお世話が必要になった場合は、なるべく停車しましょう。
・緊急搬送/肥満や精神疾患など
子供が熱を出したり腹痛で苦しんでいる、また、医療機関に緊急搬送する場合なども、チャイルドシートの着用義務が免除されます。
無理にチャイルドシートをすることが、子供にとって良くないケースもありますので、子供に合った対応をしましょう。
次のケースはチャイルドシート着用を免除されます。
・ケガや病気で緊急性をともなう搬送
・ひどい肥満でチャイルドシートのサイズに合わない
・アトピーなどの皮膚疾患や股関節脱臼など、療養に着用が適していない
・精神疾患があり、着用が難しい
・迷子の子供を保護して警察に連れていく
免除になるケースを除き、チャイルドシートに子供を乗せていなかった場合は違反となりますから、免許点数(1点)が引かれます。
反則金(罰金)はありません。
チャイルドシートは子供の命を守る大切な道具です。
親として正しい知識を持って、子供の身の安全を守りましょう。