「いっかげつ」は「1ヶ月」とも「1ヵ月」とも書きます。
どっちが正しいのか?どんな違いがあるのか?
そう思ったことはありませんか?
しかし、この「いっかげつ」、「1ヶ月」と「1ヵ月」だけではありません。
試しにパソコンで変換してみると、たくさんの候補が出てきます。
「一ヶ月」
「一ケ月」
「1ヵ月」
「一カ月」
「一箇月」
「一個月」
「一か月」
なぜこんなにいろんな表記があるのでしょうか?
そこで、その理由と使い分け方について調べてみました。
もともとは「箇」が使われていた
表記については諸説ありますが、もともとは「箇」が使われていたという説があります。
「箇」の略字として「ケ」が使われるようになったというのです。
「箇」の音を仮名表示すると、「カ」「か」となりますよね。
そのため、「一カ月」「一か月」も使われるようになったと言われています。
「箇」が使われなくなったのは、戦後に国語審議会が当用漢字から外すべきだと提言したため。
そこで、新聞などでは「箇」を使わないようにしようというルールができたと言われています。
ちなみに、『新聞用字用語集』には「大文字のカタカナで表記する」と書かれています。
そのため、多くの新聞社は「一カ月」と表記しています。
「1ヶ月」の「ヶ」は中国語が由来
「1ヶ月」の「ヶ」は、実は日本語の「け」ではありません。
中国語の「箇」や「個」の略字の「个」という字です。
「个」が「ケ」になったのは、勘違いが理由です。
かつて日本に「1个月」という表現が入って来たとき、「个」をカタカナの「ケ」と勘違いしたため。
これがいつしか定着して、「1ヶ月」と表記するようになったです。
「ケ」は「ヶ」と小文字でも書かれますが、「正式ではない表記」のためだと思われます。
「カ」と「ヵ」も同様です。
ひらがなの「か」とカタカナの「カ」があるのも、同様に「正式表記でない」ためと言われています。
「一個月」の「一箇月」の由来は同じ
「个」という字は、中国語の「箇」や「個」の略字です。
したがって、中国から来た「1个月」は「一個月」「一箇月」と表記されたのです。
正しい表記は「1箇月」あるいは「1か月」
こうしてみてくると、「いっかげつ」の「か」は略字であったり、勘違いであったことがわかったと思います。
したがって、正しい表記で書くなら、「1箇月」あるいは、ひらがなの「か」を使う「1か月」と書くべきでしょう。
現在、公文書は「一箇月」という表記になっています。
まとめ
ということで、「いっかげつ」はいろんな表記がありますが、どれを使っても間違いではありません。
より正式な表記を求めるなら、「一箇月」ということになります。
逆に、「一ヶ月」「1ヵ月」など、小文字の「ヶ」「ヵ」は正式表記ではないと考えていいでしょう。
イヤーそれにしても日本語って面白いですね。