テレビ番組でもよく見かけるシーンで
『つまらないものですが…どうぞ』というものがあります。
そういった時、手元にあるのはのし紙がついた贈り物で、
“粗品”などという言葉が書かれていることがあります。
粗品というと、なんとなく、そこまで高級でないものという感じがしますが、
本当のところはどういった時に使う言葉なのでしょうか?
また、粗品に似た言葉もあるため、知っておかないと
大人として恥をかく場面も出てくるかもしれません。
では、粗品という言葉と、それに似た“志”、“寸志”の
使い方のマナーを説明していきたいと思います。
間違わないようにしっかり覚えておきたいですね。
「志」とは
志というのはお祝い事とは真逆の弔事の時に使う言葉です。
葬儀やお通夜で「御香典を持ってきてくれた方へのお返し=香典返し」ののし紙に書く言葉です。
宗派の違いを問わず、仏事でのお返しでは志を使うことができます。
「寸志」とは
寸志というのは粗品と似ている言葉です。
同じように、“つまらないもの…”と表現される贈り物や品物に使われるのですが、
寸志の場合は目上の人が目下の人に送るときに使われます。
また、パート・アルバイトへのボーナス支給時に、
寸志という形で支払われることもあります。
あくまでも、目上の人からの感謝の気持ちを表した品物や金銭…というわけです。
そのため、部下が上司に何かを送るときに、のし紙に寸志と書くのは大間違いなので気を付けておきましょう。
「粗品」とは
粗品は寸志とは逆で、目下の人から目上の人へちょっとした贈り物をするときに、のし紙や包装紙に書く言葉です。
例えば、買い物をした時などに「○○円以上お買い上げでしたので粗品です」
というように、お店からお客さんへという形もあります。
企業が一般の人に向けて大々的なプレゼント企画として行うこともありますが、
粗品と書かれているもので、金銭が送られることはあまりありません。
このあたりも、寸志と粗品の違いですね。
まとめ
「志」は香典返しなどの仏事で使われます。
お祝い事での贈り物や金銭で使われることはありません。
「寸志」は、目上の人から目下の人への感謝の気持ちを表す、
ちょっとした贈り物やボーナスのことです。
「粗品」は、目下の人から目上の人へのちょっとした贈り物のことですが、
あまり金銭を包むときには使わないのが特徴です。
それぞれを、のし紙や贈り物の表書きに利用するときは、
この違いに気をつけて、大人としてのマナーがないと思われないようにしたいですね。