スパゲティーナポリタンはお好きですか?
ケチャップの絡まったパスタと、ハムやベーコン、ウインナーの塩気。
ピーマンとタマネギのシャキッとした食感や、マッシュルームの風味などなど、
その魅力はとても大きなもの。
家庭で手軽に作れるパスタメニューなので、
よく料理するという人も多いのではないでしょうか。
このスパゲティーナポリタンは、名前にナポリと付いていますが、
イタリアの料理ではありません。
パスタ料理と言えばイタリアなのでとても不思議ですよね。
ナポリタンは日本で誕生した
では、ナポリタンはどうしてそのような名前になったのか、
料理が生まれた歴史なども一緒にご紹介したいと思います。
ナポリタンが生まれたのは、太平洋戦争が終結してから間もなくのことでした。
この時代にすでに古い歴史を持っていた横浜のホテル「ホテルニューグランド」で、
シェフが作ったのが始まりとされています。
戦後、日本にはたくさんのアメリカ軍兵士たちがやってきていました。
GHQのトップであるマッカーサー元帥は、歴史の本でも登場しますよね。
このマッカーサー元帥が立ち寄ったのが、ホテルニューグランドであり、
戦後7年ほどGHQのひとつの拠点として使われたのです。
この時アメリカ軍は、スパゲティの麺とケチャップを食料として用意していました。
シンプルにケチャップを絡めただけのパスタを食べていたんです。
しかし、それを見たホテルニューグランドの料理長が、
フレッシュトマトとトマトのペースト、タマネギやニンニクをオリーブオイルで炒め、
ハムとマッシュルームを加えてスパゲティを作りました。
パルメザンチーズの白と、トマトの赤色が
実に綺麗な色合いをしたメニューであったと言います。
ナポリではパスタは貧しい人のためのメニューだった
イタリアのナポリでは、中世の頃パスタというのは、
屋台で食べられる貧しい人のためのメニューでした。
そのパスタこそが、トマトソースを麺に絡めた、シンプルなものであったと言います。
このことを知っていた料理長によって、
ホテルニューグランドで作られたトマトソースのスパゲティのことを、
「ナポリタン」と呼ぶことになったそうです。
トマトソース自体はもっと古く、17〜18世紀ごろにアメリカからナポリに伝わり、
パスタに絡める料理が生まれました。
その後、フランスにもトマトソースが伝わった時、
「ナポリ風のトマトソース料理」という意味で、
「ナポリテーヌ」という言葉が生まれたという事です。
こうしてみてみると、ナポリタンが高級な料理ではなく、
庶民に愛される料理であったことが解ります。
イタリアの庶民の味を日本人がアレンジして、
ちょっとだけリッチな料理に仕上げた一品「ナポリタン」。
食べ物の歴史を知ると、作るのもまた楽しくなってきますね。
時には、ケチャップでなくてトマトソースを使ってみるのもいいかもしれませんね。