小論文といえば、高校・大学入試、さらに入社試験でも出てくるものです。
何を書けばいいのだろう、と苦手な人も多いはずです。
小論文の書き方をわかりやすく解説した人気の本を、いくつか紹介していきます。
・何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55
従来の論文指導の中心だった「自由に想いを述べる」「知識をアピールする」という書き方を全否定し、「問題点を発見して解決策を出す」という小論文の再定義を提唱した本です。
受験生向けの参考書ですが、発売当初から学校の先生やプロのライターなど幅広い層から支持されている1冊です。
2011年に発売して以来、Amazon「高校小論文教科書・参考書」カテゴリ1位をキープしています(2015年3月時点)。
また、読み物形式の内容なので、いつでも手軽に読むことできます。
タイトルにもある「オキテ55」とは、過去問を解く前に、絶対に知っておきたいオキテを55個にまとめ、いつでも必要なことだけを読むことができるような作りになっています。
小論文には小論文の書き方があります。
これは、小論文には必ず「正解」があるということです。
この本は何を書けばいいか、読者の知りたかったことが解決するヒントがきっと見つかるはずです。
・高校生のための評論文キーワード100
哲学者、中山元氏による評論文の解説書です。
辞書どおりの意味合いではなく、評論文の上で用語が持つ「生きた意味」を学ぶことができます。
評論文が読めないというのはたいていの場合、「言葉を知らなくて読めない」、「読めるのだけど結局何が言いたいのか分からない」のどちらかであるのではないでしょうか。
まとめるなら、語彙力と理解力。
この本はその両方に対応しています。
「ポイント、切り口、展開」と三段階に分けて解説されており、中には「アプリオリ、エクリチュール、ダーザイン」といった学ばなければまず知らない哲学用語から、「環境、群集、制度、他者」などという一般的な言葉まで含まれており、その語の解説の中で色々と他の語にも触れるため、読み込めばそれ以上の知識がつき、また実践力もつくのではないでしょうか。
さらに、「何がいいたいのか分からない」、言い換えれば「扱われている内容が理解できない」。
それは大抵の場合、評論文の背景にあるものの考え方、文脈を知っていないため起こることです。
この本を読みきるだけで、主要な評論文のテーマをおおまかに知ることができます。
あとはそれを実際の問題に適用することで、内容の理解が可能となるはずです。
高校生のために、となっていますが、それだけにとどめておくにはとても惜しい本です。
内容の充実度が高く、この本自体も軽い評論文になっているように思います。
・小論文これだけ!超基礎編
04年の発売以来売れ続けている『小論文これだけ!』の続編です。
前作を難しいと感じる受験生向けに、さらに基礎的な内容が書かれています。
超基礎編とありますが、要所をばっちり押さえており、小論文が苦手な人にも読みやすいようになっています。
基本が繰り返されているので、読むだけで小論文の典型的な型が身に付き、現代社会を考えるための最低限の知識も仕入れることができます。
どの本からも言えることは、小論文に求められているのは、表現の美しさではなく、「考える力」であり、読み手を説得する力でもあります。
・人柄がよく伝わる答案
・自分の意見を論理的に筋道を立てて明確に表現した答案
・読みやすくて人を引きつける答案
いつでも、どこでも、だれにでも通用する“良い”答案はないのです。
試験官の要求にきちんと応えた答案が“良い”答案なのではないでしょうか。