日本語の中には、同じ物事を表す場合でも、
様々な言い方の違いが存在しています。
その中で、今回注目したのが「美容院」と「美容室」という二つの言葉。
この二つの言葉は、最後の一文字だけが異なっていますが、
一体何が違うというのでしょうか?
「美容院」と「美容室」に違いはない
この二つの言葉に関して、結論から言うと、
どちらも同じ場所を示した言葉であり、違いはありません。
店の面積がどれくらいとか、スタッフの数で言葉が変わるなどの違いはなく、
お店のメニュー内容や、価格帯にも大幅な差はありません。
そして、それぞれの明確な定義もないのです。
一般的には、髪の毛を切ったり、スタイリングしたり、
晴れの日に対応したメイクや着付けを行ってくれるなど、
「美容」に関することを総合的に行ってくれるのが、「美容院」または「美容室」です。
正式には「美容院」という言い方が正しい
だたし、正式には「美容院」という言い方が正しく、
国語辞典や広辞苑には「美容院」としか掲載されていないのです。
昔から使われているのは、「美容院」であるということなんですね。
しかし、不思議なことに、美容院をネットの予約サイトで検索すると、
検索サイトの中でも言葉の違いで登録が分かれています。
また、その中では「美容室」としての登録の方が多いという結果が。
同じように、検索サイトのYahoo!やGoogleを使って
言葉そのものを検索してみても、「美容室」の方が多数のお店のサイトがヒットするのです。
それだけ、「美容院」よりも、「美容室」という言い方の方が、
馴染んできているということではないでしょうか。
また、言葉の持つイメージの差もあるでしょう。
「美容院」と言われると、どことなく堅いような、そして高級そうなイメージがわいてきます。
また、どちらかというと年配のお客さんが多そうだなという印象を受けます。
また言葉が違いますが、古くからある「床屋さん」という言葉のイメージと似ている感覚です。
これに比べると、「美容室」という言葉は、洗練されているような、
それでいて気軽に訪れることができそうなイメージがあります。
若い世代の人が多そうですし、スタッフの年齢も若そうなイメージです。
最近ではネイルカラーやケアを行う美容室が増えてきていますが、
そういったサロンを「美容院」と呼ぶのは、なんだかちぐはぐな感覚になります。
「美容院」と「美容室」、この二つの言葉は、どちらを使っても間違いではありませんし、
その違いは小さな感覚の問題でしかありません。
ですが、その感覚やイメージの違いがとてもおもしろいことが解りますね。