今は、イラクでは混乱が起きていますよね。チュニジア、エジプト、リビアと革命が続いている中東ですが、今でも毎日のように、テロだったり、紛争のニュースが絶えませんよね。
イスラム国では日本人が人質となり、そして殺害されるといったニュースがあり、世界中でテロの脅威が起こり得る事態となっています。
なぜ中東では革命や政変というものがこんなに起こるのでしょうか。
そこで、中東のニュースなどでは必ず耳にしたことがあるでしょう、イスラム教のシーア派とスンニ派ですが、この2つ宗派の本来の姿とその違いというものを今回はご紹介したいと思います。
イラクやシリア情勢に関するニュースなどで、「シーア派」と「スンニ派(スンナ派)」の争いという言葉をよく耳にすると思います。
イスラム教の中に2つの宗派があるということは、なんとなくわかっていたとしても、何が違うのかわからないという人もたくさんいると思います。
もちろん、イラクとシリアでは事情が異なっていますし、今回は、両派では基本的にどういった点で違うのかということをご紹介したいと思います。
「スンニ」は「慣行」、「シーア」は「党派」の意味
まず、言葉での違いがあります。「スンニ」はアラビア語で「慣行」という意味があり、さらには「シーア」は「党派」のような意味があるとされています。
そして、大まかな意味の違いというと、まずは”シーア派”と”スンニ派”は、後継者の資格というもの考え方の違いにあります。
シーア派は少数派、スンニ派は多数派
シーア派は,世界のイスラム教徒人口の中の10〜20%となっていて、割と少な目となっています。
まず、イスラム教創始者であるとされている預言者ムハンマド(マホメット)の後継者問題というものを争点に、多数派のスンニ派と異なっている教義を展開したとされているのがシーア派となっています。
教義の大きな違いですが、まずはスンニ派が、ムハンマドと正当カリフなどの教えを守ろうとしている多数派なのに対し、シーア派は、アリーの子孫(イマーム)の教えというものを守ろうとしている事になります。
つまり、このようにスンナ派の大きな特徴としては、ムハンマドが打ち立てた「慣行(スンナ)」といったものや、さらには教えを受け継ぐということを重視している多数派といえるでしょう。
ですので、世襲にもこだわらないですし、さらにはスンニ派は、指導者はイジュマアと呼ばれている合意によって選ばれるべきであると考えているそうです。
スンニ派の方が戒律に厳しい
さらには戒律についてですが、こちらもスンニ派の方が厳密に実行するという傾向にあるといわれています。
そして、シーア派の大きな特徴ですが、こちらのシーア派は,ムハンマドの血統というものを受け継ぐということを重視しています。
シーア派の考え方として、イスラムの指導者は預言者マホメットの子孫であるべきであると考えています。
さらには、シーア派のほうが信仰の内面を重視するとされているようです。
ですので、こちらのシーア派と、スンナ派は相いれない存在でもあるともいえるでしょう。
スンニの教義ではシーア派は異端とされていて、真のムスリムには含まれないとされています。
スンニーの一般ムスリムに尋ねたりしても、シーア派への宗教的共感というものは全く無いようです。