日本語には同音異義語がたくさんありますね。
なかでも、多いのが、「あう」という言葉。
「合う」「会う」「逢う」「遭う」「遇う」
実に5つも漢字で書くことができます。
あなたはそれぞれの違いと使い分け方がわかりますか?
そこで、調べてみましたので、解説したいと思います。
「合う」の意味
「合う」を辞書で調べてみると・・・
1「二つ以上のものが近寄って、一つになる。くっつく。」
2よく調和する。適合する。「配色がよく―・う」「和室に―・った装飾」
3 二つのものが一致する。くい違いがない。合致する。「息が―・う」「気が―・わない」「話が―・う」
4 ある基準と一致する。「寸法が―・わない」「答えが―・う」「道理に―・う」
5 それだけのことをするかいがある。引き合う。
出典:デジタル大辞泉(小学館)
「会う」と「逢う」の意味
次に、「会う」を辞書で調べてみると、「逢う」も一緒に出てきます。
1互いに顔を向かい合わせる。場所を決めて対面する。「客に―・う」「明日、いつもの場所で―・おう」
2たまたま人と出あう。「駅でばったり知人と―・った」
出典:デジタル大辞泉(小学館)
「遭う」と「遇う」の意味
「遭う」を調べると、「遇う」も出てきます。
(遭う・遇う)好ましくないことに出あう。「事故に―・う」「強い反対に―・う」
出典:デジタル大辞泉(小学館)
それぞれの言葉の意味がわかったところで、違いをみていきましょう。
「会う」と「逢う」の違い
「会う」と「逢う」はいずれも人が対象です。
友達に会う、恋人に会う、先輩に会う・・・
では、「逢う」はどんなときに使うのか?
感覚的には「男と女が逢う」などロマンチックなニュアンスがしっくりきますね。
「逢瀬」という言葉もありますし、こっそり逢ったり密会するときは「逢う」がいい感じです。
「めぐりあい」なんて言葉も「巡り会い」より「巡り逢い」の方がより状況が伝わります。
1対1で「あう」時は「会う」より「逢う」が、まさしく合う(笑)のではないでしょうか?
一方、同じ人に会うときでも複数の時は「会う」がぴったりきそうです。
「たくさんの仲間に会う」とか・・・
「仲間に逢う」というのは、何か変ですよね。
「遭う」と「遇う」の違い
「遭う」と「遇う」は偶然性がある時に使われ、主によくないことを指します。
事故に遭う、災難に遭う・・・
「遭難」という言葉はまさにそれに当たりますね。
「遇う」も同じように使います。
事故に遇う、災難に遇う・・・
「遭遇」という言葉もありますね。
ちなみに、「遇う」には「あしらう、あつかう、もてなす」という意味もあります。
優遇、冷遇、厚遇などがそれに当たります。
まとめ
「あう」は同音異義語が多い言葉です。
どれを使ってもいい場合もありますが、それぞれより最適な使い方があることもわかって頂けたのではないでしょうか?
日本語は漢字ひとつの使い方で、その人の知性やセンスが問われることがあるものです。
これを機会にぜひあなたも上手に使い分けてみてください。