引力と重力。
あなたは違いがわかりますか?
どちらも同じような意味だと思っている人も多いようですが、実は異なるものだということを知っていますか?
そこで、今回は引力と重力の違いをわかりやすく解説したいと思います。
引力とは?
「引力」を辞書で調べてみると、以下のように解説されています。
「二つの物体が互いに引きあう力。質量をもつすべての物体の間に働く万有引力、電荷どうしの間に働く電気力、分子の間に働く分子間力などがある」
出典:デジタル大辞泉(小学館)
これだけではよくわかりませんね。
もう少しわかりやすく説明してみましょう。
地球は丸いですが、普通に考えたら落っこちるはずです。
でも、落ちないのは、何かの力が地球の中心に向かって引っ張っているからです。
この力が引力です。
引力は「万有引力」を略した言葉です。
ニュートンがリンゴが木から落ちるのをみて、万有引力を発見したのはあまりにも有名ですね。
重力とは?
同様に「重力」を辞書で調べてみると、以下のように解説されています。
「地球上の物体が地球から受ける引力で、物体の重さの原因となっている力。地球の万有引力と地球自転による遠心力との合力」
出典:デジタル大辞泉(小学館)
これもよくわかりませんね。
地球上で物体に作用する力は、引力だけではありません。
地球は自転しているため、外側に向けて遠心力が働きます。
重力は、この遠心力と引力を足し合わせた力(合力)のことをいいます。
もし重力が無くなったら、我々は遠心力によって宇宙に向かって放り投げられることになります。
たとえて言えば、糸の先に重りをぶら下げてぐるぐる回してる時に糸が切れた状態と考えればいいでしょう。
ちなみに、地球は北極・南極の極地点よりも赤道付近の方が、自転スピードが速いため、赤道にかかる遠心力が最も大きくなります。
引力と重力の違い
引力と重力の違いを数式で言うと、以下のようになります。
・重力=引力+遠心力
ここからわかるのは、引力は重力の一部だということです。
空中で物を離すと、その物体は下に落ちますね。
これは物体に重力が働いているからです。
引力のため、下に落ちるという言い方をよくしますが、実際は地球は自転しているので、地球上の物体は引力だけでなく、遠心力の影響も受けます。
したがって、地球上では、引力に自転による遠心力が加わったものを重力というのです。
ちなみに、重力と遠心力は地球から離れれば離れるほど、小さくなります。
無重力地帯という言葉がありますが、これは引力と遠心力がなくなることで、重力がゼロの状態になることを意味します。
まとめ
引力と重力の違いを解説しましたが、理解して頂けたでしょうか?
大雑把に言えば、引力も重力も地球の中心に向かって引っ張られている力です。
重力は引力に遠心力が加わったものだと思ってもらえばいいでしょう。
ということで、この記事が参考になれば幸いです。