就活を行う上で、志望する企業の研究は欠かせません。
自分にマッチした会社選びは人生を大きく左右する一大事です。
政府も「働き方改革」を全面に押し出しており、「裁量労働制度」を巡って、国会でも様々な議論が繰り広げられました。
そんな労働環境を考えるときに、よく登場する言葉があります。
それは「能力主義」と「成果主義」です。
どちらも似たような言葉で、一見違いがわかりにくいですね。
そこで、今回は「能力主義」と「成果主義」の違い、そしてメリットとデメリットについて、わかりやすく解説してみたいと思います。
能力主義とは?
能力主義は「個人の能力評価に重点をおいて昇進や昇給を決定する」考え方です。
成果主義とは?
成果主義は「社員の仕事の成果を報酬や昇進を基準にして決定する」考え方です。
能力主義と成果主義の違いとは?
えっ、何が違うの?
そう思った人も多いのではないでしょうか?
能力主義と成果主義は非常に似ていますが、はっきりとした違いがあります。
能力主義は、個人の能力が配慮されますが、成果主義は、結果がすべてです。
能力主義は成果主義とは別物であり、 結果だけでなく過程も見られるのが能力主義です。
成果主義と能力主義の違いは、過程を見られるかどうかです。
どういうことか?具体的に見ていきましょう。
成果主義の実例
ある会社の営業部にAさんという男性とBさんという女性がいたとします。
Aさんは自社商品に対して高度な知識を持ち、相手にていねいに説明できます。
社内でも能力が高いと評価されています。
一方、Bさんは自社商品の知識に乏しく、相手にきちんと説明ができません。
当然社内では能力がないとみられています。
また、正確も正反対で、Aさんは非常に真面目。
対するBさんはちゃらんぽらんでいい加減です。
しかし、2人の営業成績をみると、
Aさんは月に500万円の売上ですが、Bさんは1,000万円の売上があります。
Bさんは男好きする美人で、社内では、それが営業成績がいい理由だとみられていました。
Bさんは能力や仕事の過程に関係なく、成果を上げています。
これが成果主義です。
能力主義のメリットとデメリット
能力主義は能力に応じて待遇を決定していく制度であり、成果主義に近いものです。
しかし、結果一辺倒にならないように配慮された制度といえます。
つまり、能力はあるのに、たまたま成果に結びつかなかった人も配慮される制度なのです。
これが能力主義のメリットです。
過程も見られますから、 挑戦して失敗しても、頑張ったら評価されます。
評価されれば、もっと頑張るため、結果的に会社に利益をもたらすことになります。
一方、能力主義のデメリットは、
「職能給」という形で年齢とともに給料が上がっていくだけで、年齢に関係なく、成果を出せば給料が上がるということはないところです。
ちなみに、就活では「成果主義を導入しています」と説明する企業も多いです。
しかし、多くの場合、それは成果主義ではなく、能力主義です。
成果主義のメリットとデメリット
欧米の企業は成果主義を採用して、給与を決めています。
そのため、結果を出せば給料が上がります。
これが最大のメリットです。
一方、成果主義のデメリットは、結果が出なければ給料も下がることです。
つまり、いくら働いても、 いくら残業しても、いくら会社のために自分を犠牲にしても、結果が出なければ、報われないという状況に陥ってしまうのです。
まとめ
能力主義と成果主義。
似た言葉ですが、細かく見ていくと、違いがあることがわかって頂けたと思います。
能力主義は日本独自の制度であり、成果主義は欧米の制度です。
日本の能力主義は年功序列と組み合わせて採用されていて、年齢が高い人ほど給料が高いのは当たり前という風潮が根強く残っています。
そういう意味では、日本に成果主義が本格的に導入されるのは、まだ時間がかかりそうです。