“これ”を使わない日はないと言っても過言ではないほど、
私たちの生活になくてはならないアイテムになったスマートフォン、略してスマホ。
これまでの携帯電話=ガラケーと比べ、電話をするだけでなくて、
アプリを利用することで本当に“なんだって”できるようになりました。
地図を表示してナビにしたり、行きたいお店情報を調べたり、
天気予報でも雨雲レーダーでいつ雨が降るのかを細かく知ることができたり…
アプリの内容ひとつとってもどんどん進化を遂げていますね。
しかし、そんなスマホを利用している中で、
ちょっと困った現象に悩まされる人が多くなっているんです。
実は、スマホを利用し始めて体調が悪くなったと感じる人が約50%もいて、
その内容が「肩こり」や「首の痛み」なのだそう。
しかも、「息が苦しい」と感じるようになったという人も約40%もいるんです。
多くの人が今は何も不調を感じていなかったとしても、
これは他人ごとではなく感じられますよね。
さて、こうしたスマホによる体調不良で代表的なのが、
『スマホ巻き肩』と『スマホ呼吸』です。
では、もっと詳しく、どんな症状が出るのか、対策方法は無いのかを見ていきましょう。
スマホ巻き肩とは?
スマホを使っている時は、誰しもがちょっと前のめりの姿勢になっていますよね。
この時、肩が内側に巻き込むような形になっていることから、
スマホ“巻き”肩と呼ばれています。
スマホ巻き肩は、そういった前のめりの姿勢でスマホを長時間使用するせいで、
肩がそのような形で固まってしまいます。
スマホ巻き肩と名前さえついていますが、デスクワークの人や、
読書が趣味の人などでは肩が内側に入っている人は多いです。
しかし、スマホの場合は読書と違ってページをめくる動作や、
デスクワークで指先を動かすなどの“運動”がないため、余計に肩回りは固まり、
状態が酷くなってしまうのです。
また、スマホを長時間使うということは、それだけ長くディスプレイを
見続けるということであり、目を酷使すると連携している肩や首の筋肉に負担がかかります。
しかも、前のめりの姿勢で目を使っているのですから、
肩や首のダメージは計り知れないことでしょう。
さて、自分がスマホ巻き肩になっていないか気になりますよね。
もし、以下のチェックに当てはまったら、スマホ巻き肩になっているかもしれません。
・体がまっすぐにならない気がする
・壁にかかと、お尻、後頭部を同時に付けて立つのが辛い、または変な感じがする
・万歳をした時に腕が耳に付けられない、または痛みがある
こうした症状が実感できた場合は、すでに予備軍かもしれません。
スマホ巻き肩改善のためのストレッチなどを行いましょう。
スマホ巻き肩の治療法
症状が酷くなってしまった場合は、接骨院やマッサージなどを行う治療院で、
血行改善のマッサージを受けたり、電気治療を行うことで徐々に良くなっていくでしょう。
そこまでの段階でない場合は、自宅でできるストレッチを続けてみると、
改善しやすいでしょう。
肩を寄せる運動
力を込めながら手を高く上げ、その後肩甲骨を寄せるように腕を曲げ下ろします。
肩を回す運動
手のひらで肩に触りながら、肩を回します。
この時、肘が耳くらいの高さまで上がるとなお良いです。
肩まわしは、ふと暇があったら何度でも行うようにするのがオススメです。
肩をすぼめる
両肩を同時に力を込めながら上に引き上げます。
そして、一気に脱力してリラックスします。
こういった簡単にできるストレッチを取り入れて、
スマホ巻き肩を少しでも改善していきましょう。
スマホ呼吸とは?
スマホ巻き肩になると、肩が内側に巻き込まれるために、
胸が圧迫されて呼吸が苦しいように感じます。
また、吸い込む酸素の量が少なくなって、頭がぼーっとしてくるなどの影響もあって、
集中力の低下などにも繋がります。
こういった呼吸からくる辛い症状を、スマホ呼吸と呼んでいます。
スマホ巻き肩で悩んでいる人が肺活量を調べた時に、
実年齢よりも20歳以上離れた結果が出たそうです。
それだけ、肩から呼吸器に与える影響が大きいということであり、
つまりは、スマホを使うことで呼吸にまで悪い影響が出てくるということなのです。
さて、以下のチェックに当てはまったら、
スマホ呼吸になっている可能性が高いかもしれません。
・苦しくて病院へ行ったが、特に異常はないと言われる
・喉が詰まっているように感じて息苦しい
・呼吸が浅く、短いリズムになっている
・鼻が詰まっているわけでもないのに息が吸いにくい気がする
もし、当てはまったとしたら、スマホ巻き肩からの延長で
スマホ呼吸になっているかもしれません。
そんな時には、スマホ巻き肩をほぐすのと同時に、
呼吸を改善するストレッチも試してみてください。
スマホ呼吸の治療法
スマホ呼吸はスマホ巻き肩と連動しておきているので、肩の症状を和らげること、
根本の姿勢を正すことで改善していきます。
スマホ巻き肩と同じように、マッサージや治療院で相談してみるといいでしょう。
また、こちらも自宅でできる簡単な運動で、改善の補助を行うことができます。
それが、「背中呼吸」です。
まず、椅子に深く座って頭の後ろで手を組みます。
そのまま頭の重みを手に預けるようにして、胸を開くイメージで深呼吸を行います。
こうすることで、前のめりで縮んでいた胸が大きく開き、
深い呼吸ができるようになります。
毎日続けていくことでだんだんと姿勢もまっすぐになっていくので、
一石二鳥のストレッチと言えますね。
まとめ
スマホ巻き肩もスマホ呼吸も、スマホを使っている姿勢が前のめりになることで、
肩や首に強いコリが生じ、胸が詰まることで起こります。
病院やマッサージ、整体の治療院などでしっかり治すこともできますし、
まだ軽い段階ならば自宅でストレッチを続けることで、
症状が悪化するのを防ぐこともできるでしょう。
スマホを使わないという選択肢はなかなかに難しいので、
うまくスマホ巻き肩やスマホ呼吸とは、うまく付き合っていかなければなりません。
しかし、スマホを使っているからこうした症状に悩まされても仕方がない…と思わずに、
毎日スマホを使う段階でもできる対策を行いたいですね。
例えば、机に置いて前のめりになる姿勢ばかりでなく、手でスマホを持って
なるべく肩や首に負担がかからないように気を付ける、
長時間連続で使うのではなく、30分ごとくらいで休憩をする…など、
スマホ巻き肩やスマホ呼吸になってしまう前から対策を行いましょう。
肩や首は、呼吸や目の疲れとも連動しています。
そして、スマホを使う時には、それらすべてが酷使されているということを忘れずにいましょう。