夏になると「エルニーニョ現象」が原因での異常気象や
たくさんの台風が発生するかもしれない…とよく気象情報などで報道されていますが、
実はもう一つ「ラニーニャ現象」という、
あまりテレビなどでは報道されていないものも存在しているんです。
どちらも、気候に影響する言葉なのですが、あまり聞きなれないので
異常気象=エルニーニョ現象と思いがちです。
エルニーニョ現象とラニーニャ現象にはどのような違いがあるのか、
どんな影響を与えるものなのかを詳しく見ていきましょう。
エルニーニョ現象とは?
エルニーニョ現象というのは、赤道付近の東太平洋の海面の水温が、
平年よりも高くなっている状態のことを示しています。
太平洋には東からの風が吹いていて、冷たい海水を西側に流しているのですが、
この風が弱くなることによって冷たい海水が流れ込まずに海水の温度が上昇します。
すると東太平洋だけでなく、太平洋の中部も海水の温度が上がってしまいます。
さらに、海水温が高いと積乱雲が発生しやすくなり、
豪雨や雷と言った天候不順が起こります。
この時周辺の気圧は低気圧となっており、これが赤道から離れた地域にも
影響を与えるので異常気象となります。
日本では低気圧のせいで梅雨が長くなったり、夏の気温が低くなる『冷夏』となり、
逆に冬が暖冬となるなどの影響が出やすくなります。
また、突然の大雨や雷、その延長で土砂崩れなどの二次災害まで起こる危険性があります。
ラニーニャ現象とは?
ラニーニャ現象はエルニーニョ現象とは異なり、東からの風が通常よりも強く吹くことで、
海水温が低くなる状態のことを言います。
これによって雲が発生する位置がずれて、気圧の配置が平年と変わるので気候が変わります。
日本ではより暑い夏と、より厳しい冬…となります。
湿度の低い空気が多くなるため、梅雨でも雨が少なくなって、夏の水不足に繋がったり、
それによって農作物が多大な被害を受けます。
さらに、冬には大雪がみられ、特に日本海側では雪による災害が懸念されます。
まとめ
エルニーニョ現象は海水温が高くなることで、低気圧や積乱雲の発生が多くなり、
日本に長い梅雨と涼しい夏、温かい冬をもたらすことがあります。
すごしやすいように思いますが、ゲリラ豪雨やたくさんの台風など
災害が多くなることがあります。
ラニーニャ現象は、エルニーニョ現象と逆に海水温が低くなり、
低気圧があまり発生しなくなって、日本でもよく晴れて暑い夏と、
厳しい冬が訪れるとされています。
また、ラニーニャ現象は一度起こると2〜3年継続するため、
1年ほどで収束するエルニーニョ現象よりも大きな影響が考えられます。
近年、日本でも気候の変化が激しく、日々の暮らしが大変になることもしばしばあります。
遠く離れた地域での海の変化によって、今年はどんな気候になるのかと気になってしまいますね。
しかし、どちらも災害の危険があるのが恐ろしいところなので、
日々の防災についてもっと強く意識していきたいですね。