似ているようで実は違う意味を持つ言葉ってたくさんありますよね。
今回は、「信用」と「信頼」の違いについて考えてみようと思います。
誰かに対して、「信用している」または「信頼している」と、
どちらも使うことができますが、
明確にどんな違いがあるのかって解りにくいですよね。
まず、この二つを広辞苑などの辞典で調べてみると…
・信用→信じて任せること、任用すること
・信頼→信じて頼ることとあります。
えー、熟語を分解しただけじゃないか!と、
思わずその解りにくさに驚いてしまいました。
信用はその人の過去を見て評価している
しかし、少し考えてみると、「信じて任せる、任用する」には
その人の”過去”の実績や行動が見合っていないといけません。
つまり、信用はその人の過去を見て評価していることと言えます。
信頼は未来のことをに関してその人を評価する
対して、「信じて頼る」というのは、これからの未来に関して、
その人に期待をかけている場面です。
信頼は、未来のことをに関してその人を評価することだと言えるのです。
ちなみに、過去(信用)があるから未来(信頼)があるという見方もでき、
「信用できてこそ、信頼できる」という言葉もあるんです。
また、より精神的な部分での人との繋がりは、
「信頼」の方が大きいと言えるでしょう。
「信用」と「信頼」具体的な使用例
例を挙げてみます。
Aさんは、昨年から陸上競技で表彰台に連続で上がっていて、
また今年もいくつもの大会で優秀な成績を収めました。
Aさんのいるチームも、そのおかげで成績がよく、
Aさんがいれば安泰だとも言われています(=信用されている)。
そんな時、中学校の陸上競技の臨時コーチを探している中、
Aさんに白羽の矢が立ちました。
きっとAさんなら生徒たちにいい指導をしてくれるだろう。
任せても安心だろう…という周囲の想いによって、
Aさんは臨時コーチに就任しました(=信頼されている)。
いかがでしょうか。
少し解りやすくなったのではないかなと思います。
ここで注目したいのは、「信用」は、
目に見える結果や実績がなければできないのですが、
「信頼」に関しては、その人の性格や雰囲気など、
目に見えないものが根拠であってもできる、という違いもあるということです。
例えば、悩みを打ち明けたいと考えた時、
その人が「カウンセラーとして結果を残している」人でなくても、
古くからの友人や、親しい家族・上司などには相談できますよね。
これは、精神的なつながりが大きい「信頼」なんです。
先のAさんのコーチの話でも、
昔からのAさんの友人であれば、Aさんの実績を知らなくても
「あいつに任せたら大丈夫!」という意味で、コーチに推薦したかもしれません。
こうして考えてみると、信用と信頼には大きな違いを感じますね。
人と人とのつながりの中で、より大事にしていきたいのは「信頼」の方かもしれませんね。