囲碁名人イ・セドル九段を破ったとして、大きな話題を集めた
囲碁のコンピュータソフト「アルファ碁(AlphaGo)」
これまでチェスや将棋で人間に勝ってきたコンピュータですが、
囲碁だけは無理だと言われてきました。
囲碁は白黒の石しか使わないため、
打ち手が多すぎることから、人間の知能には及ばないと
思われていたからです。
そんな常識を覆したのが、ディープラーニング(深層学習)です。
そこで、その仕組みをわかりやすく解説したいと思います。
ディープラーニング(深層学習)とは?
ディープラーニングは人間の脳神経回路を
真似することから始まった研究です。
いわゆる人工知能ですね。
人間の脳は神経細胞(ニューロン)のネットワークで成り立っています。
例えば、ある問題が出されたとき、神経細胞同士がつながりあうことで
解決するための処理を行います。
もともとコンピュータは文字や数字の処理はお手の物ですが、
画像認識は苦手でした。
人間は物を見たとき、それが何かであることを認識できますが、
コンピュータに同じ事をやらせるのは、困難でした。
しかし、それを可能にしたのが、
ディープラーニング(深層学習)という技術なのです。
ディープラーニングはどこがディープなのか?
ディープラーニング(深層学習)という命名は、
人間の脳の構図から来ています。
脳の神経細胞(ニューロン)はニューラルネットワークで構成されていますが、
これはおおまかに3つの層に分類されます。
①入力層
②中間層
③出力層
入力されたデータはまず入力層に行き、
中間層と出力層を通ることでデータ処理されます。
その出力結果によって、物事を認識することができるのです。
つまり、こうした一連のデータ処理の過程が深化させることで、
人間は高度な脳機能を保持できています。
これがディープラーニング(深層学習)です。
簡単に言えば、人間の脳機能をコンピュータに模倣させる技術なのです。
パソコンやスマホですでに実用化されている
ディープラーニング(深層学習)の技術は、
すでにパソコンやスマホで使われています。
例えば、パソコンでの画像検索。
東京オリンピックのロゴ盗用問題が発覚したのは、
グーグルなどの検索エンジンで画像検索が簡単にできたためです。
スマホでは、今や音声認識が当たり前になっていますが、
これもディープラーニング(深層学習)が実用化されたものなのです。
囲碁という複雑なゲームで人間を負かした
ディープラーニング(深層学習)の技術。
この先どこまで人工知能は進化するのか?
楽しみでもあり、恐ろしくもありますね。