アセクシャルとは男性にも女性にも性的な関心が全くない人をさします。
人口の1%は存在するとされ、最近では「エース(Ace)」とも呼ばれています。
性的指向というと、一般的には「異性愛」、「同性愛」、「両性愛」が知られていますが、これに加えて第四の性、「無性愛」があることを、カナダ大学心理学部のアンソニー・ボガート教授が発表しました。
同性愛者が3~5%、心と体の性が一致しない人(性同一性障害者)は数千人に1人と言われる中、意外にも多いようですが、公にする人が少なく、あまり知られていない存在なのです。
アセクシャルかもしれない?と悩む若者が増加
以前から恋愛に消極的な男性を「草食系男子」という言葉で表現したり、TVでもそういう人達がいることは取り上げられてきていましたが、最近は「アセクシャル」(エース、Aセクシャル)という単語で紹介されることもあるようです。
そのような影響を受けてか、最近、自分はアセクシャルかもしれない・・・と悩む若者が以前にも増している気がします。
しかし、自己診断で「自分はアセクシャルだ」と決め付けるのは大変危険です。
ホルモン異常や精神的疾患が原因である場合があります。
また20歳以下の方は、半分以上が「経験不足による思い込み」なのです。
何かのきっかけで、人格が変わった様に性に積極的になることもあるので心配しないで下さい。
自分で勝手に判断せず専門医に相談診断を
まずは「性」に対する心構えを変える努力をしてみてください。
20歳を超えてもどうしても自分の性的指向、恋愛価値観に疑問があるのであれば、その時にちゃんと専門の方に相談し、診断してもらいましょう。
また、ストレスフルな社会構造や、環境ホルモンなどによる性ホルモンの減少なども関係しているのではないかと考えられています。
遺伝などが関係してると指摘する方もいますが、実際ははっきりした根拠はなく確実な答えは世界でも発表されていません。
自称アセクシャルが増えた背景には、「偏った性知識」が少なからず影響している気がします。
性はやましいもの、いやらしいもの、過剰なまでの性表現の規制、にもかかわらず簡単に手に入る環境。
こうしたものから、無意識な性嫌悪、性に興味を持つことはいけない事、という思考へ誘導された結果ではないでしょうか。
それに加えて、社会に出れば低賃金長時間労働、しかし託児所は不足のため、子供を産んで育てる余裕が持てない。
そうなると、少子化が加速し、そんな中で少ない子どもを健全に育成しようとし、更に性規制となってしまう。
これでは悪循環です。
この環境を変えるためにも、政府に性的指向に関心を持ってほしいものです。
「結婚願望はなく、子どもも産みたいとは思わない」と聞くと、「誰も愛せない冷たい人」と誤解されがちですが、友人や家族を大事にする気持ちはあるのです。
また親密で持続的な感情を他者に抱いている無性愛者で、性的関係を持たずに、体外受精を利用して子供を持つことを望んでいる人もいると言われています。
こうした人たちと接する周囲の人も、まずは理解することが重要なのではないでしょうか。
生物の大半は、子孫を残すことを目的として生きているのかもしれませんが、無性愛の人たちにとっては、別の生きる意味があるのかもしれません。
<追記>
ちなみに、今大ブレーク中のジェンダーレス男子ゆうたろうくんは
アセクシャルではないかと言う人もいます。
真偽は定かではありませんが、どうなんでしょうね。
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