読み方は同じなのに意味が異なるものを「同音異義語」といいます。
日本語の中にはたくさんの同音異義語が存在していますが、
イマイチどの場面でどれを使えばいいのか解らいものもたくさん。
今回はそんな解りにくい同音異義語の中から「すすめる」と読むものについて、
その違いを解説していこうと思います。
「すすめる」と読む漢字は「進める」というものが一番に浮かぶことも多いですが、
中でも特に解りにくいのが「勧める」「薦める」「奨める」の3種類ではないでしょうか。
どれもなんとなく、人から人へ何かを話したり、案内する意味で使われます。
しかし、少しずつ意味に違いがあるので、
ここでしっかりと知っておくといいかもしれません。
○勧める
・熟語→「勧誘」などがある
・例文:グループへの入会を勧める。
おすすめの化粧品を勧める。
座布団を使うようにと勧める。
・主に、他人にはたらきかけて、何かをしてみませんか?と説明すること。
○薦める
・熟語→「推薦」などがある
・例文:候補者として彼を薦める。
恩師からの薦めを受けて職に就く。
主に、誰かのことをその物事にふさわしいと感じ、
それを周囲に説明すること。
この二つには、このような違いがあります。
解りやすく言い換えると、
「勧める」は自分が良いと思う”物事”を周りに説明すること。
「薦める」は自分が良いと思っている”人物”を
周りにその良さと共に説明することです。
何について自分が周りに説明するのかという点が違っていますね。
○奨める
ここでもう一つの、「奨める」が残っています。
この「奨める」は常用漢字として「すすめる」と読むことを認められていません。
そのためあまり使われる場面がありません。
しかし意味としては、上の立場である人や機関から、
何かを行うことが好ましいということの説明です。
解りやすく例文を挙げると、
・厚生労働省は1日に300gの野菜を取ることを奨めている。
・医師から、適正な食事方法をと奨められた。
などがあります。
意味としては「勧める」と似ているのですが、
説明する人間の立場が、上の立場であることが大きな違いとなっています。
これら3つの漢字は意味が解れば使い分けも簡単です。
パソコンで変換キーを押せばどれもが候補として出てきますが、
もうこれでどれを使うか迷うことはありませんよね。
同音異義語も、それぞれの意味がひとつひとつわかればとっても簡単です。
この他にも、気になるものが合ったら意味を調べてみると面白いかもしれません。